「東海大学×デンマーク工科大学合同セミナー」を開催しました

東海大学では3月17日に、「東海大学×デンマーク工科大学(DTU)合同セミナー『太陽光電池技術についてのワークショップ』」を開催しました。本学は1970年に日本とヨーロッパ諸国との学術・文化交流の促進を目的として、デンマーク・コペンハーゲンにヨーロッパ学術センターを設置し、ヨーロッパの大学や研究機関と親交を深めてきました。DTUとはこれまでも、持続可能な社会の実現を目指して風力発電や水素エネルギーなどの再生可能エネルギーに関する合同セミナーを開催しており、エネルギーをテーマにした合同セミナーは今回で6回目となります。

当日はまず、開会に際し総合科学技術研究所の岩森暁所長(工学部機械工学科教授)が、「本学とDTUは、過去5回の合同セミナーを通じてエネルギー分野での学術交流を深めてきました。今回の太陽光電池技術においても、さらに連携を強化していくことを期待しています」とあいさつしました。続くワークショップでは、本学と金沢大学、DTUから計4名の研究者が研究成果を発表。本学の橋田昌樹教授(総合科学技術研究所)は「Nano-structures on silicon solar cells fabricated by ultraviolet femtosecond laser pulses」と題して、紫外線フェムト秒レーザーパルスを用いて太陽光電池のシリコン上にナノサイズの構造を造形する方法について説明。「シリコン素材の表面上にピラミッド状のナノ構造を造形することで、太陽光電池表面での光の反射を低減させ、発電効率を向上させることが期待できます」と語りました。また、金沢大ナノマテリアル研究所助教のShahiduzzaman・Sohel氏はペロブスカイトを用いた高効率かつ安定したペロブスカイト太陽光電池について発表。DTU化学科シニアリサーチャーのKaibo・Zheng氏とフォトニクス工学科太陽光発電材料・システムグループのSara・Engberg氏はそれぞれ、ハロゲン化鉛ペロブスカイト太陽光電池の構造解析とデバイス特性、次世代素材ケステライト化合物を用いたデバイス特性について紹介しました。

最後にDTUフォトニクス工学科シニアサイエンティスト・教授のStela・Canulescu氏がそれぞれの発表について所見を述べた後、「短い時間ではありましたが、とても興味深いセミナーになりました。今後もますますコラボレーションしていけることを願っています」とあいさつし、会を締めくくりました。