気候変動に耐えうる果樹の栽培方法を考える
佐伯 爽 講師

研究テーマ例
●気候変動と果樹のストレス耐性に関する研究
●省エネルギーなど持続可能な果樹栽培方法の開発
●高品質な果実生産方法の開発に関する研究
近年、深刻化している地球温暖化に伴う気候変動(気温上昇や降水量の増加など)に伴い、果樹は多様なストレスにさらされ、安定した生産が難しくなってきています。そのため、生産者からは、気候変動下でも従来の果実を安定して生産できる方法の確立や、気温上昇が深刻化している九州に適する新たな果樹の導入が求められています。
そこで果樹園芸学研究室では、多様なストレスが果樹の成長にどのような影響を及ぼすか調査し、従来の果実を安定して生産できる方法の検討を進めています。より気候変動が進行する可能性も見据え、九州でも栽培可能な熱帯性果樹の探索や栽培法の検討、阿蘇地域の多雨条件を耐えうる果樹の探索と栽培法の検討を通じて、気候変動条件下でも安定して果実を生産できる栽培法の確立を目指しています。



研究分野・キーワード
果樹園芸学、植物生理学、地球温暖化、微生物資材、果実品質分析、熱帯果樹(マンゴー、パパイアなど)、常緑果樹(カンキツ類)、落葉果樹(ブルーベリー、カキなど)
高校生へのメッセージ
深刻化する気候変動下において、農業生産はこれまでに経験したことのない多くの課題に直面しています。そのような中でも、人々が生きるために「食」は必要不可欠です。いかにこの難題を乗り越えていくか、一緒に考えてみませんか。
プロフィール
千葉県出身。明治大学大学院農学研究科博士後期課程修了。マンゴー樹の洪水耐性に関する研究で、博士(農学)を取得。2021年より福島大学食農学類研究員として、原発被災地における落葉果樹を中心とした営農再開支援研究の実施を経て、2024年より現職。