食品安全性学研究室


平野 将司 准教授

私たちは核内受容体(NRs)を軸に食品の安全性・有効性について研究しています。NRsはステロイドホルモンや脂溶性ビタミンをはじめとした生理活性物質をリガンドとする転写制御因子であり、細胞内シグナル伝達を調節することで生体機能に重要な役割を担っています。健康に良いと知られてきた食品の成分中にはNRsなど細胞内受容体に作用し、有効性を示す化合物の存在が予想されます。一方で、食を介して摂取する化合物の中にはNRsに作用して安全性に関わるものも含まれます。この安全性・有効性の違いを規定する要因について、分子シミュレーションなどの技術を駆使してNRsの分子認識を明らかにし、その活性を細胞内で評価するシステムの構築を目指しています。食品由来化合物の細胞内シグナル伝達を通して健康科学を考えていきます。

細胞内受容体、シトクロムP450、化学物質、化学物質影響、環境影響評価、食品科学

●食品由来化学物質の生体リスク評価に関する研究
●脂肪肝メダカを用いた食品機能性に関する研究
●粘膜下腫瘍のリスク要因の解析と食品成分の効果に関する研究

「食」「環境」「生命」をキーワードにした農学部では、多角的視点から農学を学べるため、皆さんの知的好奇心を満たし、多くの刺激があることでしょう。自分が面白いと思うことに全力でチャレンジしてください。いっしょに食の未来について勉強してみませんか?

長崎県西海市出身。熊本県立大学環境共生学部卒業。2007年学振DC2。2009年熊本県立大学大学院環境共生学研究科博士課程修了(環境共生学博士)。2009年から2015年まで愛媛大学CMESにてグローバルCOE研究員、学振PD、特任助教を経て、2016年熊本高専生物化学システム工学科講師、2021年東海大学農学部特任准教授。趣味は、サッカー観戦。