建築学科の学生有志団体「MAC」が水中コンクリート実験のワークショップを開きました

建築都市学部建築学科(工学部建築学科※)の学生有志が立ち上げた団体「MAC(Matière de Architecture Club)」が、ワークショップ「第9回 マジかよ!水中打設コン」を湘南校舎で1月21日に開催しました。MACは、工学実験やワークショップを通して建築材料や構造、住環境などへの理解を深めるとともに、学年をこえたつながりをつくることを目的に活動しています。コロナ禍で中断しており、3年ぶりの開催となりました。今回は、セメントなどの建築材料の製造・販売を主事業とする株式会社トクヤマエムテックの伊原純一さん(工学部建築学科2010年度卒・大学院工学研究科建築学専攻2012年度修了)を特別講師に招いて企画し、学生や教員ら約40名が参加しました。

当日は最初に、本学科の横井健准教授と伊原さんが、企画背景やセメントと砂を混ぜ合わせた粉体に水などを加える「モルタル」の特性を説明。伊原さんは、「モルタルは水中に打設すると、セメント分が分離してしまうため、強度低下が懸念されます。しかし、特殊な増粘剤を入れて粘度を高めることにより、水中打設でも不分離性を確保することが出来ます。一方で、粘度が高すぎると充填が不十分になるため、減水剤を混ぜて流動性を調整します」と語り、水中不分離モルタルの練り混ぜ実演を行いました。参加者にも練り混ぜを実体験させた後、型枠への打ち込み実演も行いました。

続いて参加者は、目分量でモルタルの調合に挑戦。その後はグループに分かれて水に沈めた型枠の中に打設し、流動性と不分離性の完成度を競い、優勝者にはモルタルでできたトロフィーを贈りました(トロフィーは重たく不気味なため受け取り拒否され、横井研の狛犬?となりました)。学生たちは、「実験の授業が少ないので挑戦してみたいと思い、参加しました。分量の正解がわからないので苦戦しましたが、自分なりに試行錯誤しながら取り組めたので楽しかった」「実際に材料に触れたことで、授業の知識に加えてさらに理解が深まりました」と話していました。

中心となって運営したMACの山岸未侑さん(教養学部3年次生、来年度建築学科転入)は、「MACの良さは、実体験ができることだと思います。私自身、今回のワークショップを経て自分の手で物をつくる魅力を感じ、今後の勉強や活動の方向性の幅が広がりました。来年度以降も多くの人に参加してもらいたい」と語っていました。

※東海大学工学部は2022年4月から工学部と建築都市学部の2学部に改編され、建築学科は建築都市学部を構成する学科となりました。