山川教授が参画する研究グループが「省エネ大賞」を受賞しました

建築都市学部建築学科の山川智教授が参画する研究グループがこのほど、「2022年度(令和4年度)省エネ大賞」(主催:一般社団法人省エネルギーセンター、後援:経済産業省)の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。省エネ大賞は、国内の企業・自治体・教育機関等に対して、優れた省エネ推進の事例や省エネ性の高い製品、ビジネスモデルを表彰するもの。山川教授は日本ファシリティ・ソリューション株式会社、北海道厚生農業協同組合連合会、株式会社久米設計、芝浦工業大学とともに取り組んできた「大規模病院のZEB化に向けた『熱の動きをデザインする』熱源省エネ技術の実証」で受賞し、2月1日に東京ビッグサイトで開かれた表彰式で賞状とトロフィーが贈られました。

建物で消費する年間のエネルギー収支を0にすることを目指す「ZEB」(Zero Energy Building)は、オフィスビルなどを対象にした研究や実装は進んでいる一方、エネルギー消費量の多い病院では難しいとされてきました。山川教授らは2018年11月に新築移転した北海道・帯広厚生病院で実証に取り組み、医療機器が発する熱や、手術室の冷房、厨房の冷蔵・冷凍庫などの排熱を「熱回収ヒートポンプ」に集めて温水に変換し、暖房や給湯などに活用。「熱の動きをデザインする」技術を開発し、エネルギー使用量の10%を削減、運用改善で毎年2%の削減を継続しています。

主に性能検証を担当し、運転データの分析に基づく省エネ手法の提案・実証を行った山川教授は、「研究室の学生と一緒に取り組み、形にすることができました。建物を設計する段階で熱の動きをデザインするという新しい考え方は、今後さまざまな地域の病院で活用できると考えています。来年度も研究を継続していきます」とコメント。山川研究室卒業生の岩田明紘さん(2021年度工学部建築学科卒・芝浦工業大学大学院1年)も表彰式に出席し、「昨年度、実際の運転データを用いたエネルギーシミュレーションを行い、さらなる高効率化を図るシステムの研究に取り組みました。これほど大きな賞をいただけて光栄です。現在は室内環境の向上について学んでおり、どうすれば省エネ性と快適性を兼ね備えた建物にできるのか、東海大学で学んだ知識を生かして修士研究に励んでいきたい」と意気込みを語りました。

なお、2月1日から3日まで東京ビッグサイトで開催された「ENEX2023」で省エネ大賞の受賞研究に関する展示が行われ、「大規模病院のZEB化に向けた『熱の動きをデザインする』熱源省エネ技術の実証」についてのパネルも、多くの来場者が足を止めて読み込む姿が見られました。

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2022年度省エネ大賞 受賞者の決定について|一般財団法人 省エネルギーセンター