展覧会「感覚する構造 – 力の流れをデザインする建築構造の世界 – 」で学生の制作した「パンテオン」の模型が展示されています

工学部(建築都市学部)建築学科の学生が制作した「パンテオン」の模型が、9月30日から来年2月25日まで東京都品川区のWHAT MUSEUMで開催中の展覧会「感覚する構造 – 力の流れをデザインする建築構造の世界 – 」で展示されています。

この展覧会は、古代から現代まで40点以上の名建築の構造模型を通して、建築における力の流れを感覚的に捉えられる構成となっています。展覧会のテーマである構造模型についてリサーチしていた担当者が本学を訪れ、内田涼大さん(3年次生)、浦勇樹さん(同)、田中悠仁さん(同)が「西洋建築史Ⅱ」の授業で制作したパンテオンの模型を見たことで、展示を依頼されました。展覧会は4つのテーマ展示で構成され、イタリア・ローマで約2000年前に造られた煉瓦積コンクリート造の大規模な建築であるパンテオンの模型は展示の導入部分に設置されています。同じ空間には「建築家と構造家の協働」として、構造家・佐々木睦朗氏と建築家・磯崎新氏、伊東豊雄氏、妹島和世氏、西沢立衛氏との協働による作品が展示されており、展覧会を企画したWHAT MUSEUM建築倉庫ディレクターの近藤以久恵氏は、「構造は建築を建築たらしめる重要な要素であり、ドーム空間の起源ともいえるパンテオンは、本展覧会の導入にふさわしいと考えました。そして構造をデザインする素晴らしい構造家の存在が、日本の現代建築を支えています。ドームからシェル、そして自由曲面による構造に至るまで、古代から変わらずこの地球上にはたらく重力をはじめとした力の流れをどうデザインして建築にしてきたのか。古代の建築物から現代建築までを歴史的な視点でとらえることができたらと、このような構成にしました」と語りました。

授業を担当する稲益祐太准教授は、「西洋建築史Ⅰでは、古代から近代までの建築について時代順に講義しました。学生たちは知識を蓄えたうえで、同Ⅱではグループに分かれて1つの建築物をテーマに決め、考察し、模型を作って発表します。図面や文献を読み解いて模型を作ることで写真や図面だけでは分からない、立体的に空間を把握する力をつけてほしいと考えています。授業を通して海外や歴史的建造物にも興味を持って世界を広げてもらえれば」と課題の意図を語ります。3名は、「神殿をテーマにしたようと決めて調べる中で、ドーム型が面白いとパンテオンに行きつきました。図書館で調べた図面をもとに、インターネットで集めた3Dデータや写真を参考にしながらサイズを計算し、ドームの内側の細かな部分まで表現しようとあえて断面で見せる模型を完成させました」とコメント。内田さんは、「建物を見ているだけでは分からない力の流れを、模型作りを通して実感できました」と話していました。

展覧会「感覚する構造 – 力の流れをデザインする建築構造の世界 – 」
https://what.warehouseofart.org/exhibitions/sense-of-structure_first-term/

【会期】
2023年9月30日(土)~24年2月25日(日)11:00~18:00
※休館日:月曜(月曜が祝日の場合は開館、翌火曜休館)、年末年始

【場所】
WHAT MUSEUM
東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号

【アクセス】
東京モノレール「天王洲アイル駅」徒歩5分、東京臨海高速鉄道りんかい線「天王洲アイル駅」B出口徒歩4分、JR「品川駅」港南口徒歩15分
https://what.warehouseofart.org/visit/#access

【入館料】
一般1500円、大学生・専門学生800円、高校生以下無料