建築都市学部(工学部)建築学科の学生有志が立ち上げた団体「MAC(Matière de Architecture Club)」が6月8日に湘南キャンパスで、コンクリートをテーマにしたワークショップ「第10回練って愛おしいねるねるねるねシチャオウYo!」を開催しました。MACは、工学実験やワークショップを通して建築材料や構造、住環境などへの理解を深めるとともに、学年をこえたつながりをつくることを目的に、本学科の横井健教授と野村圭介講師を顧問として活動しています。今回は、神奈川県建築士会コトナ建築部会の協力を得て、学生や子どもたちのほか、MACのOB・OG、本学科の非常勤講師やOB教員も含め100名を超える参加がありました。
当日は、部長の吹上高空さん(建築学科4年次生)による開会のあいさつに続いて、メンバーの島崎悠さん(同3年次生)が、「細骨材とセメント、水を混ぜ合わせるとモルタルになり、そこに砂利を加えるとコンクリートになります。コンクリートが固まるのは水和反応という化学反応が起きているからです」と解説。続いてデモンストレーションとして、実際にコンクリートを作る工程を実践し、本学のシンボルマークである「Tウェーブ」を模した型に参加者がコンクリートを流し込みました。既調合モルタル粉体と水を混ぜてコマをつくるワークショップでは、参加者たちは材料を混ぜて熱を発する様子や徐々に固まっていく過程を体験しました。その後は野尻実里さん(同)が、コンクリートとSDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」と絡めて講義を担当。ひび割れにくい「繊維補強コンクリート」などを例に挙げ、「安全に長く使い続けることができる建物を作る必要がある」とまとめました。続いて、セメントなどの建築材料の製造・販売を主事業とする株式会社トクヤマエムテックの伊原純一さん(工学部建築学科2010年度卒・大学院工学研究科建築学専攻2012年度修了)が、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」をテーマに、セメント工場におけるリサイクルシステムや環境に配慮した資材について解説。「環境にいい、性能がいいだけではいけません。社会的ニーズと顧客ニーズを満たし、取り組む組織も持続可能にする取り組みが必要」と語りました。顧問の横井教授は、「MACでは今回のイベントを予行練習に、8月1日(木)に川崎市・高津市民館実習室で開かれるコトナ部会のイベントで、小学生向け出張MACワークショップを開催します。大学生向けの解説をどう落とし込むかが課題です」と話していました。
部長の吹上さんは、「授業でもコンクリートを練り混ぜて流し込む経験はなかなかできません。自分の手で触って、目で見た経験を今後に生かしてほしい」とコメント。参加した1年次生は、「将来は自分で家を建てるのが夢で、コンクリートは大切な要素の一つなので、詳しく知りたいと思って参加しました。授業ではまだ基礎を学んでいる段階なので、コンクリートができるまでを体験できて貴重な経験になりました」と話していました。