建築都市学部建築学科の学生有志による実験サークル「Matière de Architecture Club (MAC)」が8月1日に、川崎市高津区の高津市民館で開催された「小学生建築講座~コンクリートを体験してみよう~」に協力しました。この催しは、建築材料としてポピュラーな生コンクリートについて学んでもらおうと神奈川県建築士会コトナ建築部会が企画したもので、以前より親交があった縁でMACに協力依頼がありました。学生たちは6月8日に湘南キャンパスで実施したワークショップの経験を生かしてサポートしました。
当日は、100名を超える応募の中から抽選で選ばれた、川崎市の小学3~6年生35名が参加。学年ごとに7つのテーブルに分かれ、MACの学生がそれぞれのテーブルのモデレーターを務めました。初めにアイスブレイクとして、伊藤秋華さん(2年次生)が脚本を書いたクイズ寸劇「三匹の子豚」を披露しました。オオカミの攻撃に耐えたレンガの家は地震で壊れましたが、コンクリートでできた父母の家は無事だったというアレンジにクイズを織り交ぜるたどたどしい熱演で、子供たちの大爆笑を誘う完璧なつかみでした。その後、嶋崎悠さん(3年次生)のコンクリートに関する授業と、久保山幸輝さん(2年次生)によるコンクリートの練り混ぜ実演を経て、子供たち自らが既調合モルタル粉体と水を混ぜてコマをつくるワークショップを体験。モルタルは30分程度で硬化する特別仕様で、水和反応中の発熱を感じていました。ワークショップ後にはコトナ部会のメンバーが、土地固有の材料や気候に応じたヴァナキュラ建築の概念や脱炭素・長寿命建築といった、建築とSDGsの関わりについて分かりやすく解説しました。3時間半にわたる長時間のイベントでしたが、子供たちはあきることなく終始笑顔で、最後に行ったMAC顧問の横井健教授との質疑応答では先を争うようにたくさん手が挙がりました。
学生たちは本イベントに向けて毎週のように会合を開き、寸劇や授業のパワーポイント、配布した12ページにわたるワークブックも全て一から作り上げました。このイベントから部長を務めている伊藤麻紘さん(同)は、「準備は本当に大変で、先生に何度もしかられつつ直前までかかりました。でも、子供たちに楽しんでもらえてよかった」とコメント。1年次生の時からMACに参加している野尻実里さん(3年次生)も「子供たちがみんなきちんと話を聞いてくれて、その反応を見て今日の成功を確信できました」と笑顔で話しました。終了後にはコトナ部会のメンバーや市民館職員から学生たちに口々に労いと賛辞の言葉がかけられました。