経営学部経営学科では10月14日から3週にわたって毎週金曜日に、オンラインと対面で「大学生のためのライフマネープラン作成セミナー」を開講しています。不景気や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などによって給与の大幅な上昇が見込めない中、人生の3大資金と言われる「住宅」「子どもの教育」「老後」に備えてどのように資産形成をするのか、学生にマネープランを作成しながら考えてもらうことを目的としています。これまでは本学科の久田祥子教授がゼミの4年次生を対象に実施してきましたが、今年度から高校の家庭科の授業に「金融教育」が導入されるなど重要性が高まっていることから、初めてSMBCコンシューマーファイナンス新宿お客様サービスプラザの陸井菜津子氏を講師に招いて開講。初回は湘南校舎14号館を会場に久田教授のゼミ生や授業履修学生らが参加し、陸井氏がオンラインで講義しました。
陸井氏は初めに、「社会人になれば自然とお金に関する知識が身に着くわけではありません。お金を使う、増やす、貯めるといった知識や判断力である金融リテラシーを身につけておかないと、損をしたり、金銭トラブルの被害者や加害者になってしまったりする可能性もあります。自分は大丈夫と思わず、将来に向けて金融リテラシーを身に着けてください」と語りかけました。続いて、平均生涯賃金や産業別の初任給といったデータも紹介。入社から定年までの平均給与額を年代別に現したグラフを提示しながら、「1976年、95年の人の給与は右肩上がりなのに対し、2021年は緩やかな曲線になっています。年功序列で給料が上がっていた昔に比べ、今は能力に応じて支払われる傾向にあり、働いていれば年々増えていく時代ではありません」と解説しました。さらに、人生の3大資金のほか、運転免許取得や車の購入、就職活動、一人暮らし、結婚、出産にかかる費用などについてもクイズを交えながら細かく説明。一人暮らしをした場合の1カ月の支出を予測するワークにも挑戦しました。最後に、「進路とお金(奨学金)」として、奨学金返還時の利率と利息、返還シミュレーションについても解説し、学生たちは最終的なマネープランの作成に向けて、熱心にメモを取りながら話に耳を傾けていました。