児童教育学部では1月17日に湘南校舎で、2022年度第3回「教育セミナー」を開催しました。昨年4月に開設した本学部の理念や教育・研究活動を周知するとともに、教員、保護者、施設職員らを対象に教育・保育現場の「いま」に合わせた課題、教育事例を本学科の教員が紹介・助言するものです。第3回は本学部の神戸佳子教授が講師を務め、「小学校入学、こんなことが不安です~入学前の疑問・心配を期待へ~」と題して講演。湘南校舎20号館をメイン会場にオンラインでも配信し、約30名が聴講しました。
お茶の水女子大学附属小学校で副校長を務めていた神戸教授は、初めに「登下校や勉強、人間関係など、小学校入学当初にはさまざまな不安がつきものですが、卒業する6年後には心配し過ぎたことが笑い話になっているものです。人生の中で身長に一番変化が訪れる小学校時代は、1年生と6年生の体格差は子どもと大人ほどの違いがあり、初めて経験する小さな社会でもあります」と話しました。その後、小学校の学級形態や施設、学校内で子どもたちとかかわる教職員の役割、主な持ち物などを説明するとともに、小学校での一日の過ごし方や年間行事、学習内容などについて紹介。「小学校の中では親の手を離れて子どもだけの世界ができます。親はあまり干渉しすぎず、子どもの意志を尊重して困ったときの話し相手になれるようになることが重要です」と語りました。続いて、保護者会やPTAなどの活動や放課後や休日の過ごし方、子どもの成長について語り、「幼稚園や保育園と比べて、親の手から離れる寂しさはあるかと思いますが、困っているときは受け入れ、時には見守り、いつまでの安心できる変わらない場になる家庭をつくってあげましょう。また、子どもと一緒に楽しむ時間はもちろんですが、保護者も大人だけで楽しむ時間を大切にしてください」とまとめました。
講演後には、山本康治学部長の司会で質疑応答を行い、会場で参加した近隣の幼稚園・保育園の教員や保護者から「小学生になって自分でできることが増えていく中で、仕事でかかわる時間が少ない父親としてできることはなにかありますか?」「さまざまな環境の変化が訪れる小学校入学前後に習い事を始めてもいいのでしょうか」といった質問が寄せられ、神戸教授が一つひとつ丁寧に回答しました。