文化社会学部北欧学科のサマーセッション科目「北欧の環境と暮らし」(担当教員:柴山由理子准教授)で8月5日から8日まで、北海道東川町を拠点にフィールドワークを実施しました。本学と同町は、教育、文化、産業、まちづくりなどの分野において相互に協力し、地域社会の発展と人材育成に寄与することを目的とした協定を2019年度に締結しています。北欧と自然環境が類似している同町から、北欧の環境やデザイン、まちづくりを学ぼうと2024年度から実施しているもので、今回は履修学生13名が参加しました。

8月3日には湘南キャンパスで事前講義を実施。学生たちは、北欧デザインの思想や持続可能な社会について柴山准教授による講義を受けた後、訪問先について調査しました。東川町への訪問初日は、複合交流施設「せんとぴゅあ」でオリエンテーションを行い、学生が同施設の職員に北欧学科の学びや研修の目的を説明。アイヌ文化や大雪山文化を題材とした映画『カムイのうた』も鑑賞しました。2日目以降は、東川町立東川小学校や北の住まい設計社、東10号工房、町に隣接する旭川市の旭川デザインセンターなど、教育やデザインに関する施設を見学。スウェーデンで家具のデザインを学んだ職人たちが創立した東10号工房では、同工房の職人とデンマークとスウェーデン出身の東川小学校の教員、旭川市で建築リフォームなどを手がけるものづくりユニット「つきとふね」代表の黒蕨亮太さん(文学部2010年度卒)と交流しました。コーヒーやお菓子を楽しみながら会話するスウェーデン文化「フィーカ」を通して、木を生かしたものづくりや東川町に移住した経緯などを質問し、北海道の自然資源を生かしたものづくりへの理解を深めました。東川町役場庁舎では菊地伸町長と面談し、学生たちは、まちづくりに関する取り組みや同町の地域通貨「HUC」などについて質問。さらに、椅子デザインに関する世界的研究家である本学の織田憲嗣名誉教授の旧自邸も訪問し、織田名誉教授の案内で家具やイラストなどを見学しました。最終日には、「せんとぴゅあ」で成果発表会を実施。学生たちは、デザインや自然環境、教育、文化などの分野から4日間のフィールドワークを振り返り、現地での見学や交流を通して感じた北欧と北海道の共通点や相違点、それぞれの地域における豊かな暮らしや持続可能な社会のあり方について発表しました。
参加した学生は、「デザインは見た目の美しさだけを考えるものではなく、実際に使う人の生活や、家具を作る人の思い、地域の自然環境まで考えることが大切だと感じました」「人が過ごしやすい空間をつくり、地域の歴史や文化を大切に引き継ぎ、町全体の暮らしや経済を豊かに循環させるまちづくりを学びました」と話していました。柴山准教授は、「東川町のフィールドワークへの参加を機に、工房で働く卒業生もいるなど、学生にとって北欧に通じる学びを深めるだけでなく、自分の将来を考えるきっかけにもなっています。今後も学生たちに、教室だけでは得られない学びを提供していきたい」と話していました。






