付属相模高校出身で文芸創作学科の近藤匠さんと、付属静岡翔洋高校出身で理学部物理学科の岩本真弥さんが、4年ぶりの再会を果たしました。
ふたりは高校時代、東海大学の「学園オリンピック」国語部門で同じ釜の飯を食った仲ですが、高校卒業後は別々の学科にすすみ、同じ湘南キャンパスにかよいながら、顔を合わせる機会がありませんでした。しかし、たまたま岩本さんが文芸創作学科の授業を履修したことで、再会がかないました。
ちなみに「学園オリンピック」は、東海大学の付属中学・高校の生徒を対象にしておこなわれている集中学習行事です。コロナ禍以前は浅間山の北、群馬県吾妻郡の東海大学嬬恋高原研修センターに6日間泊まり込み、国語部門、数学部門、理科部門、英語部門、芸術部門、知的財産部門、ディベート部門に分かれ、それぞれ得意な分野の能力を磨きあいました。行事は今もオンライン形式でつづいています。
岩本さんはいったん物理学科にすすみましたが、文芸への思いが捨てられず、来年4月から文芸創作学科に転学科することが決まりました。
以下は、岩本さんから寄せられたメッセージです。
──縁というものは宝物ですね。特に学園オリンピックで出来上がったそれは、至宝と言ってしまってもいいかもしれません。彼(近藤さん)の顔を見た時、あの嬬恋での1週間が再び動き出したような感覚になりました。当時の私にとって、彼らは初めての文芸仲間でした。これはきっとものすごくありがたいことなのだと、今になって強く思います。
学園オリンピックが始まって最初の日、近藤くんが自身のスマホで綴ったたくさんの小説を見せてくれました。その時に感じた、歓喜と驚きの混じった強烈な感動を、今でも覚えています。
共に過ごした6日間で彼らから受け取った刺激は、自分でも計り知れないほど膨大なのだと思います。その刺激は長い間私の中で眠り、今年の年始頃に動き出しました。
4年生になってしまった私を文芸創作学科に繋げ、学部学科を変えるまで至らせた原因の1つに、この縁があることは間違いありません。おかげで私は好きなものに出会うことができました。「文芸はこんなに面白いんだ」と、改めて気づくことができました。この再会は、私が私の方向性を決めることの一助となり、証しとなったのです。
2人が紡ぐ物語を、心待ちにしています。