オズール・ジャパンのインターンシッププログラムを実施しました

文化社会学部北欧学科では9月9日に、アイスランドに本社がある義肢パーツメーカー「オズール・ジャパン」でインターンシッププログラムを実施しました。このプログラムは、北欧にルーツを持つ企業の理念や働き方などを学ぶ機会を設けようと2019年度から、北欧の企業や行政機関などの協力を得て行っているものです。今回は、義肢製造の世界シェア2位を誇る同社で、アイスランドの魅力や働き方の特徴をはじめ、人工知能(AI)が搭載されたバイオニック膝継手などの最新技術について学ぶことを目的に企画しました。北欧学科の学生7名がエントリーしたほか、医学部などと連携しバーチャルリアリティ(VR)を応用したシステム・アプリケーションの開発などに取り組んでいる情報メディア学科の濱本和彦教授(情報通信学部長)と、研究室に所属する学生1名が参加しました。

当日は、楡木祥子代表らスタッフが会社の概要や製品の特性、同社製の義足を装着して東京パラリンピックに出場した選手の功績などを紹介。続いて学生たちが2グループに分かれてワークショップを行いました。義手のグループでは、スマートフォンのアプリや筋肉の収縮運動などと連動するシステムについて説明を受け、実際の製品を体験。ユーザーの活用事例から日々の生活で必要となる動きや改善点などを学び、ボタンで操作できる義手を使ったジェンガゲームに挑戦しました。義足のグループでは、同社の義足モデルを務める山田千紘さんが体験談を語り、突発的な衝撃で転ばないよう制御するAIシステムや、日常生活での注意点などを説明。学生たちは膝に装着する模擬義足を体験した後、「義足の充電にはどれくらいの時間がかかりますか?」「耐久年数はどれくらいですか?」など多くの質問を寄せていました。

北欧学科3年次生の光中待歌さんは、「東京パラリンピックで障がい者アスリートの活躍を見て義肢に興味を持っていたので、実際の製品や義肢を使っている方のお話を聞けてとても勉強になりました。ほかにも世界進出している北欧の企業を調べ、授業や就職活動に取り組みます」とコメント。また、情報メディア学科4年次生の佐々木駿輔さんは、「私たちが研究しているVRは、現実に存在するものを仮想空間に映し出して同じ役割を持たせる技術なので、腕や足を失ってしまった人にとっての義肢と似ているように感じました。義肢を装着している人がどういったことに困っているのか、何に気をつけて生活していかなければならないかを教えていただけたので、研究だけでなく日常生活を送るうえでも意識していきたい」と語りました。