〇旧アジア文明学科を2018年度に卒業された、浪川唯奈さんが、暑い中、研究室に寄ってくれました。現在、浪川さんは、湘南キャンパスに近い、大磯プリンスホテルに勤務し、主に営業を担当されております。
〇お勤めのホテルでは、最近、インド、シンガポール、ベトナム、タイからの家族客が増加しているとのことです。アジアの多様な国々からの来訪者と接する中で、日本で勤務しているけれど、アジアが一層身近に感じられるようになった、と話していました。
〇食事規制を課す人が多い、インドからのお客さんたちに対しては、より細かい食事内容のチェックが必要であること、朝は甘いチャイを飲むために、必ずホットミルクを注文するので、牛乳が足りなくなることなど、ホテルならではのお話しも聞くことができました。
〇在学中、浪川さんは、大量生産で安価に購入できるファストファッションに関心を持ち、大量消費のサイクルにどうやったら楔が打てるのかを、卒業論文の中で模索しました。そうした考察の題材の一つに、手織り綿布のインド・サリーの消費スタイルを取り上げ、愛着ある服が単なるゴミにならない消費の仕組みについて論じました。
〇大学時代に、インドの文化事情をよく学んでいた浪川さんは、インドのお客さんが出して来る注文にも、難なく対応できていると話していました。元指導教員は、はじめて浪川さんに会った、8月のオープンキャンパスの彼女の姿を鮮明に思い出し、しばし感慨にふけっておりました。
文: 杉本浄