原基晶先生の著作『ダンテ論 『神曲』と「個人」の出現』が朝日新聞の書評欄にとりあげられました

原基晶先生の著作『ダンテ論 『神曲』と「個人」の出現』が朝日新聞の書評欄に「「ダンテ論」書評 読者も解釈して作品に参加せよ」という題でとりあげられました。
以下は抜粋になります――

「本書の著者は、現在まで続く(ダンテのロマン主義的な国家論的)評価を、歴史学や文献学の成果をふまえて退ける。そして14世紀の自然哲学や商業革命の文脈のなかで『神曲』を読み解く。こう要約できよう。私たちが当然とみなす考え方は、いつ、どのようにできたか。この点を解き明かして、脱神話化する手法が鮮やかだ。だが、「創られた伝統」を越えてという要約だけでは、本書の凄みは語り尽くせない……著者は、ダンテの時代の注釈書を手がかりに、アレゴリーとして、自らの読み方を示していく。こうして私たちは、『神曲』の優れた翻訳者の、作業の舞台裏に招待されたわけである。」

「ダンテ論」書評 読者も解釈して作品に参加せよ|好書好日 (asahi.com)