文化社会学部北欧学科(担当:柴山由理子准教授)では11月15日、16日に、東京都大田区の仙六屋カフェを会場に同区内の書店・葉々社と「北欧ブックフェスタ」(協力:北欧語書籍翻訳者の会、後援:駐日デンマーク王国大使館など)を開催しました。北欧文学の魅力を多くの人に知ってもらおうと、北欧文学や言語の教育機関を対象にした「海外における北欧研究への協力委員会」の助成金「SNU」を受けて初めて企画したものです。会場には北欧5か国の書籍について、各国語の翻訳家や文筆家、出版社の担当者らが紹介するブースと北欧菓子の販売、書籍のラッピングコーナーなどを設け、本学科の教員や翻訳家らによる講演会も実施。本学科の学生10名もブースのスタッフとして参加し、2日間で約200名が来場しました。



ブースには、絵本や児童書、小説、実用書、エッセイ集などさまざまな書籍を陳列。真柴奏氏や末延弘子氏、中村冬美氏、上山美保子氏ら本学卒業生が翻訳した書籍も並べ、翻訳家や編集者が自ら刊行を手掛けた書籍の魅力を紹介しました。6回に分けて行ったトークショーでは、翻訳家を志した経緯や仕事の苦労、書籍出版の道のり、各国文学の特徴などを登壇者が紹介。文化社会学部文芸創作学科の青山七恵准教授と末延弘子氏、枇谷玲子氏による講演「女性の生き方について翻訳から学ぶこと」では、作品に描かれた世界観から見えてくる北欧の女性の特徴をはじめ、翻訳家が作品から受けた影響、外国語の文学を日本語に翻訳する際の難しさなどが語られました。柴山准教授と久山葉子氏による講演「デザインからサイエンスまで北欧社会の『翻訳』縦横無尽トーク」では、翻訳する書籍の選定方法や北欧社会の特徴、日々の仕事の進め方、今後日本に紹介したい本など幅広いテーマで語り合いました。



来場者からは、「翻訳家の方々と直接交流し、北欧文学と各国の文化の関係などをより深く知ることができました。次回以降にも期待したい」「これまであまり北欧文学に触れる機会がなかったのですが、このイベントを通してさまざまな作品を読んでみたいと感じました」「直接本を手に取り、翻訳家の方々の話を聞いたことで、これまで漠然とイメージしていた北欧各国の特徴や個性がより具体的になりました。これからは翻訳家にも注目して作品を読んでみようと思います」といった声が聞かれました。
学生たちは、「北欧文化を紹介するイベントに関わりたいと思って参加しました。多くの方が来場してくださって、北欧への関心の高さを実感できただけでなく、翻訳家や出版社の方々と直接交流したことで、もっと深く勉強したいという意欲も高まりました」と話していました。

