本学科の堀啓子先生と助川幸逸郎先生が、日本文学科の志水義夫先生とともに、ミズモノ・シンポジウムを復活させました!

サブカルチャーと文学研究を大胆につなぐ試みとして、本学科の堀啓子先生と助川幸逸郎先生、日本文学科の志水義夫先生がトリオを組んで始められた公開授業に、「ミズモノ・シンポジウム」があります。「ミズモノ」の名は、3先生の姓「堀」「助川」「志水」にすべて水がかかわり、なおかつ開講が水曜日にされたところに由来します。

2005年に始まるや学生たちの絶大な支持を得て、以後年1度のペースで続いてきましたが、コロナ禍で2年間中断、その復活を望む声に応えて、この7月20日水曜日、第15回目のシンポジウムがひらかれました。

まず基調講演では、志水先生が「ブラックペッパーはタキシード仮面になれない」と題して、「セーラームーン」、「プリキュア」、「水戸黄門」を結びあわせ、公権力の男性原理で動く時代劇の衰退と、主従関係不在のまま動く「プリキュア」シリーズの人気持続との関連を、縦横無尽に説きます。

また、堀先生は「『美少女』ほんのりと百合のゆくえ」と題して、吉屋信子、芥川龍之介、谷崎潤一郎を、今野緒雪の人気ライトノベル『マリア様がみてる』とつなげ、百合ブームの連続線を浮かびあがらせます。

さらに、助川先生は「政治的に正しい美少女論」と題して、川端康成の伊藤初代への恋と、太宰治の田邊シメ子への恋とを比較し、これを『源氏物語』につなげ、「現代青年の孤独」という社会問題にまで論をひろげます。

基調講演の次はパネル・ディスカッション、会場からの質疑応答も交えて、いよいよ佳境に入ります。シンポが終わったとき、すでに窓の外は夜。おつかれさまでした。