アジア学科・春田晴郎先生「キルギス研究出張報告」

アジア学科教員の春田は、2022年9月上旬、京都大学、龍谷大学の研究者3人とともに、中央アジアのキルギス共和国に調査のため訪れました。その時の写真を4枚紹介します。

キルギス共和国は天山山脈中に位置する山国ですが、中にはイシク・クル湖という琵琶湖の約9倍の面積を持つ湖もあります。「東洋のスイス」として観光客を呼び込もうという同国ですが、湖とまわりの山々の眺望は本当にすばらしいものがあります。

イシク・クル湖から南に続く道は、天山山脈を越えて中国の新疆ウイグル自治区に繋がっています。約1400年前、唐の玄奘(三蔵法師)がたどったシルクロードの一部でもあります。一番残雪の少ない時期でしたが、山の高い所には雪が残っていました。

本来の調査目的である遺跡遺構もいろいろ巡検してきましたが、千年ほど前に騎馬遊牧民族が建てたカラハン朝の都の一つベラサグンにあるブラナの塔の写真をここでは載せておきます。

さて、当地の料理は中央アジア風。うどんに似たラグマーンという麺料理は中央アジア各地で食されていますが、今回は比較的珍しい混ぜそば風の混ぜラグマーンもいただくことができました。

出発する少し前に、中世のペストの最も早い記録がこの周辺ではないか、という論文が出版されたことを知り、急遽、その時期の墓碑が出土した地も見てきました(20世紀初めの発掘で現在はまったく何も痕跡がないところなので写真は省略します)。
今回の調査行ですが、いろいろと旅程をアレンジしていただいた現地の旅行会社の方も、カラコルという町でパートナーと共にゲストハウス(1泊しました)を経営されている方も、日本人の女性でした。中央アジアの小国でたくましく活躍されている姿が印象的でした。