大学院総合理工学研究科総合理工学専攻「共同ゼミナール」で特別講演会「航空装備研究所における研究開発―学問と現場の関係―」を開催しました

大学院総合理工学研究科総合理工学専攻では8月7日に湘南キャンパスで、特別講演会「航空装備研究所における研究開発 ―学問と現場の関係 ―」を開催しました。研究開発に取り組む技術者の講義を受けることで大学院生・学生に知見を広げてもらおうと、同専攻の開講科目「共同ゼミナール」(担当教員=水書稔治教授・工学部航空宇宙学科)の一環で実施したものです。今回は、自衛隊の装備品の研究開発を使命とする防衛装備庁の各研究所が取り組む先端技術を学ぶと共に、国立研究機関の仕事内容を知ることで博士課程の学生をはじめ修士および学部生のキャリア形成につなげることを目的として水書教授により企画されました。当日は、航空装備研究所航空機技術研究部・防衛技官の宮田行生博士を講師に招き、博士課程の学生に加え、一般聴講として修士課程の大学院生および工学部などから多くの学生が参加し、約80名が聴講しました。

講演に先立ち、防衛装備庁採用担当を務める長官官房人事官付・防衛技官の小林真吾博士が防衛装備庁の概要を紹介。自衛隊が使用する防衛装備品の研究開発や調達、政策の企画立案といった同庁の業務内容を説明したほか、研究開発プロジェクトの事例、留学制度などを紹介しました。続いて、宮田博士が航空装備研究所の概要や自身が携わるロケット推進の研究開発について解説。目的に応じたさまざまなロケット推進の種類や開発の経緯、日本の技術を紹介し、「開発の段階では何度も失敗しますが、原因を検証するには残骸を集めて分析するため、材料や化学など基礎研究の知識が必要になります。基礎研究は一見して地味な分野と思われがちですが、ゲームチェンジャーになり得るとても大切な学問です」と語りかけました。また、これまでに手掛けた開発プロジェクトの事例を踏まえて、組織で協力し合う大切さやチームマネジメントのポイントを語りました。

聴講した学生からは防衛に関する最新技術や同庁の採用基準など、さまざまな観点から質問が挙がり、講義後も活発な議論が展開されました。また、講義後のアンケートでは、次回開催を期待する声が多く挙げられました。