機械部品軽量化のための加工技術で2件の特許を取得しました

工学部機械工学科の窪田紘明講師が研究室に所属した大学院生と取り組んできた機械部品軽量化のための加工技術2件が、このほど特許を取得しました。

研究室の今井大輔さん(大学院工学研究科2021年度修了)との連名で今年1月11日に取得した「方法およびパンチ」(特許第7418008号)は、自動車などの部品を成形する工程で問題となっている材料破断のダメージ値をコンピューターシミュレーションで求める技術です。例えば配管などに使用するために、鉄パイプの側面に穴を開けてタコの口のような出っぱりを作る際、破断の限界値をシミュレーションで求めることで、試作などのコストを削減するとともに軽量でより高強度な部品の開発が可能になります。

8月14日に登録された「塑性加工方法および塑性加工装置」(特許第7538521)は、同じく研究室に所属した秋元雄天さん(同20年度修了)との連名で登録されました。研究では、橋梁用のワイヤーやロープウェイのロープなどの製造に使われる「引き抜き加工」の技術に、塑性変形(外力を取り除いても残る変形)と熱を組み合わせることで、材料内部のストレスを自在に制御する方法を模索。潤滑剤を塗った円柱状の材料を400℃で加熱し、水をかけて瞬間的に冷却した直後にダイスと呼ばれる丸い工具に通して引き抜く装置も独自に開発し、これまで研究されてきた方法より耐久性を大幅に向上させることを発見しました。

窪田講師は、「連名で出願した卒業生はもちろん、研究室の学生や学長室研究支援担当の職員など、多くの協力を得て特許を取得できました。学生たちには在学中に研究だけでなく、特許出願といった技術者として社会に出てから役立つ経験を積んでほしいと考えています。今回の特許は今後、企業と連携して実用化を目指します。コンピューターシミュレーションについては企業から委託を受けて結果をフィードバックすることも可能です。さまざまな方法で社会に貢献していきたい」と話しています。