イメージング研究センターが「2024年度年次報告会」を開催しました

東海大学イメージング研究センター(TICAR)では9月11日に、東京都品川区の株式会社ニコン本社イノベーションセンターで「2024年度年次報告会」を開催しました。TICARは、世界最先端のイメージング技術を有するニコングループとの包括協定締結により2016年に設立。同社製等の光学機器を備えた「見ること」に特化した共同利用施設として、医学や理学、工学といった分野の学内外の研究者らに活用されています。報告会には、株式会社ニコンソリューションズの社員や本学の研究者、TICARの技術職員らが参加。利用状況や研究成果を共有するとともに、今後の展望について意見を交わしました。

開会のあいさつでは、同社バイオサイエンス営業本部企画部長の高橋恵太氏が、「東海大との9年にわたる連携は大きな財産であるとともに、未来の可能性を広げる取り組みでもあります」と語り、営業本部長の大場敬生氏は、「研究者はもちろん学生と交流できるのも有意義と考えています。TICARのサポートを通じて日本の技術力の向上にも貢献していきたい」と述べました。

前半は、マイクロ・ナノ研究開発センター(MNTC)の研究者らが登壇。槌谷和義教授(工学部)は、TICARの利用状況や秦野市の中学校教諭を招いた教育講演会などの活動を報告し、URA教員の荒砂茜准教授は、機器の共同利用に関する国の政策やTICARの共同利用・共同研究拠点としての可能性について発表しました。木村啓志教授(工学部)は、ニコンと共同で開発し、このほど販売を開始した画期的な生体模倣システムについて解説。MNTCの共同研究者で大阪大学放射線科学基盤機構教授の樺山一哉氏は、本学に所属していた当時やニコンの研究者との出会いを振り返るとともに、本学発のベンチャーである株式会社チューンの設立や、光学顕微鏡イメージング用薄膜「Myell™(マイエル)」のビジネス展開について説明しました。

後半は、ニコンソリューションズの社員が、最新の技術や製品について紹介。続いて、TICARの設立当初から機器の運用に精通したテクニシャンとして研究や教育をサポートしてきた技術職員の粟野若枝さんに、同社から表彰状が贈られました。最後に、ニコンソリューションズ代表取締役兼社長執行役員の園田晴久氏が、「先生方の報告からTICARの着実な発展を実感し、勇気づけられました。来年は東海大学との連携が10年の節目となります。今後も共に学び、成長していきたいと思います」とあいさつ。本学の稲津敏行副学長(理系担当)は、「これまで築いてきた協力関係をさらに発展させて次の10年につなげたい。引き続きご協力をお願いします」と述べました。