航空宇宙学科航空操縦学専攻の設立20周年を記念する会を開催しました

工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻がこのほど設立20周年を迎え、12月5日に東京・ベルサール羽田空港で記念の会を開催しました。本専攻は、日本の大学で初となるエアラインパイロット養成コースとして2006年度に開設。全日本空輸株式会社(ANA)の全面的協力による産学連携とアメリカ・ノースダコタ大学(UND)との留学協定、国土交通省航空局の支援のもと、約1年半にわたるUNDでの飛行訓練を通じてアメリカと日本の操縦士ライセンスを取得できるカリキュラムで、これまでに460 名を超える卒業生がパイロットとして活躍しています。記念の会には、監督官庁である国土交通省航空局安全部安全政策課乗員政策室室長の藏智彦氏、全日本空輸株式会社取締役執行役員・フライトオペレーションセンター長の阪部亮氏をはじめとする航空産業関係者、木村英樹学長ら本学関係者と卒業生ら約70名が参加しました。

第1部の記念講演では、藏室長と本専攻長の東浦直樹教授が登壇しました。藏室長は、「我が国における操縦士需要と養成機関への期待」と題して講演。2030年までに必要な操縦士の供給数や主要航空会社の操縦士の出身別割合状況を紹介し、私立大学などの民間養成機関における養成規模拡大の余地は大きく、さらに期待が高まっていると説明しました。行政の役割として、それらの状況を的確に捉えるとともに、操縦士養成が安全かつ円滑に行える環境を整えることが重要であり、「今後もいっそう、養成機関の発展に向けて連携していきたい」と話しました。東浦教授は、「東海大学のパイロット養成プログラム―20年の歩みと将来に向けて―」をテーマに、本専攻設立の経緯や教育課程の概要、卒業生の活躍といった実績について解説。「今後も将来の航空業界を担う人材育成に努め、パイロットリソースの供給源としての使命を継続的に果たしていきます」と話しました。

第2部の記念祝賀会では、最初に木村英樹学長があいさつ。日本の生産年齢人口割合の減少からさまざまな業界で人材確保の困難さが増している状況に言及し、「本専攻をはじめ多様な学部・学科を有する総合大学として、総力を結集して今後の日本を担う人材育成に取り組んでまいります」と話しました。その後、国土交通省の藏室長とANAの阪部氏から祝辞が寄せられました。藏室長からは、「東海大学の航空操縦学専攻は私立大学の先駆者であり、これまでの貢献に対して感謝を申し上げ、今後も協力・支援していきたいと思っています。今後ますます発展していくことを期待しています」との言葉が送られました。阪部氏は、「この 20年間で非常に多くの操縦士を輩出されたことは、貴学の教育の質の高さを如実に物語っています。私どもANAでも、現在12名の機長をはじめ100名を超える卒業生の皆さんが安全運航を支える重要な役割を果たしており、私の大きな誇りです」と話しました。

その後、本学の稲津敏行学長補佐の発声で乾杯。UNDエアロスペースファウンデーションのチャック・ピネオCEOが、「私たちが共に成し遂げてきたことは本当に素晴らしい。アメリカと日本の両国から認定を受けた特別な航空プログラムであり、私たち全員が誇りに思うべきことだと思います。プログラムに対する皆さまの献身的な取り組みと友情に感謝します」と祝意を述べました。会場では参加者同士が懇談。卒業生によるプレゼンテーションも行われ、就職してから現在までの日々や同窓会の活動が紹介されました。最後にサイエンス・エンジニアリングカレッジプロボストの梶田佳孝学長補佐(建築都市学部教授)が閉会の辞を述べて会を締めくくりました。