大学院生が電気学会産業応用部門大会で優秀論文発表賞を受賞しました

大学院工学研究科電気電子工学専攻1年次生の米光佑騎さん(指導教員=大口英樹教授)が、9月1日から3日まで岡山大学津島キャンパスで開催された電気学会産業応用部門大会で「YPC優秀論文発表賞」を受賞しました。YPC(Young engineer Poster Competition)は若手のみが発表できるセッションで、米光さんは158件の中から16件が選ばれる狭き門での快挙でした。

米光さんの研究テーマは、「T型3レベルインバータにおける2相変調方式の損失比較」です。電圧や周波数を自在に変換できるインバータは、省エネルギーの観点から利用分野が拡大しています。効率的な電力変換器として3段階の電圧レベルが出力できる3レベルインバータの中でも、特に導通損失の増加を抑制できる「T型3レベルインバータ」が注目されています。米光さんは、この「T型3レベルインバータ」の損失を抑制する「2相変調」において、最大・最小の電圧を基準にスイッチのオンオフを休止する「最大最小基準2相変調」と、中間の電圧を基準にスイッチのオンオフを休止する「中性点基準2相変調」とで、その損失比較が十分に行われていない点に着目。両変調方式が適用可能な同一条件下でシミュレーションし、その過程と成果について発表しました。

米光さんは、「シミュレーションの結果、有効電力の割合を示す力率の違いで両変調方式の適用による効率が変わることが推測されました。将来的に、小型家電から電車やエレベータなど、加速により力率が変わる誘導モーターに応用されると、さらに省電力に資する可能性があります」と展望を話しました。発表について、「質疑応答も含めて無我夢中でしたが、評価していただいたことで今後もこの道筋で研究を進めたいという思いを新たにしました。今後はシミュレーションの結果を基に実機で検証を進め、さらに研究を掘り下げていきたい」と話しました。大口教授は、「学会発表では質問する方がずっと途切れなかったほどで、多くの研究者や企業から興味・関心を持っていただいたと感じました。今後は実機検証などで予測困難な状況もあると思いますが、それを乗り越えて得られる達成感はぜひ大学院生のうちに経験してほしい」と期待をにじませました。