NASAで活躍する卒業生による特別講演を実施しました

総合科学技術研究所では10月18日に、工学部航空宇宙学科を1994年度に卒業しアメリカ航空宇宙局(NASA)National Institute of Aerospace研究員を務める西川裕章氏による特別講演「情熱の数値流体力学アルゴリズム研究」を実施しました。これは本研究科の各研究室による共同ゼミナールとして開いたもので、学生と教職員約50名が出席しました。

講演で西川氏は、本学在学中に出された授業課題で、誰もが気がつかなかったことを発見する面白さを知ったというエピソードを紹介。その後世界の航空界をリードしていたアメリカでノウハウを学びたいとミシガン大学に留学してから現在に至るまでの苦労を交えながら研究者としての活動を紹介しました。また西川氏が提唱し、数値流体力学の分野で高い注目を集めているHyperbolic Navier-Stokes Methodの手法を解説。「流体力学を使った解析では、まだまだ人の能力やスキルに頼る部分が多いが、将来はボタン一つで結果が呼び出せるような完全自動化が必要だと考えている。その実現のために、Hyperbolic Navier-Stokes Methodを今後も育てていきたい」と語りました。

質疑応答では、西川氏が画期的な発想をするタイミングや研究者になろうと思ったきっかけ、Hyperbolic Navier-Stokes Methodの可能性などについて質問が寄せられました。学生たちは、「西川さんの情熱あふれる講演の様子を見て、人に聞かせる発表とはどのようなものなのかを学べました」「研究者になるためには、どんなに苦労があってもあきらめず、徹底的にやり通すことが大切であると学びました。この考えは、研究だけでなく、人生を豊かにするうえでも重要なのではないかとも感じました」と語っていました。

西川氏は、「今回24年振りに東海大学を訪れ、かつてここで懸命に努力した日々の記憶がよみがえりました。取れる授業をすべて取り、充実した図書館で多くの文献を読みあさり、学ぼうとすればいくらでも学べるすばらしい環境だったと思います。先に何があろうと、全力を尽くせば失敗や敗北も素晴らしく充実したものになると信じ、私は今もまだ努力を続けていますが、本当に全力を尽くせばそう簡単には敗北しないものです。学生の皆さんには、この環境を大いに活用し、真の実力をつけて自らの希望する分野で活躍してほしいと思います」と語りました。

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