川本裕樹さんがAICE年次大会で優秀ポスター賞を受賞しました

工学部博士研究員の川本裕樹さんが、3月4日にオンラインで開催された「自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)年次大会」で優秀ポスター賞を受賞しました。同団体は、2014年に日本の自動車メーカー9社と研究機関2団体によって設立され、産学官連携を通した日本の技術力の強化と次世代をリードする人材の育成を目指しています。今回の年次大会では、各研究者がオンライン上で成果をポスター発表し、参加者によるアンケート投票で優秀ポスター賞を選出。4月22日にAICEのホームページ上で結果が発表されました。

今回、川本さんは本学部の落合成行教授や畔津昭彦教授、高橋俊准教授とともに研究を重ねてきた「気液二相流解析によるオイルリング周辺における潤滑油の輸送メカニズム検討」について発表。オイルリングは、エンジン内でシリンダを潤滑した後の余分なエンジンオイルをかき落とす役割を持ち、本研究では空気と油など性質の異なる2種類の物質の挙動を調べる「二相流解析」でオイル輸送の流れを可視化することに成功しました。

川本さんは「AICEは大学の研究者だけでなく、多くの企業も参加している学術団体なので受賞することができてとても光栄に感じています。目で見ることのできない世界を可視化し、特定の現象が発生するメカニズムを検討できる今回の研究には非常に魅力があり、受賞を励みにさらに研究を進展させ、実社会に生かしていきたい」と笑顔で抱負を語ります。昨年度まで大学院総合理工学研究科博士課程に在籍していた川本さんの指導に当たり、現在も共同で研究を続ける高橋准教授は、「川本さんはオイルの輸送メカニズムについてはまだまだ研究がおよんでいない点が多い中、非常に緻密で多角的な解析データを発表しました。学生時代から熱心に、丁寧に研究を続けてきた川本さんだからこそ得ることができた成果だと感じています」と話しています。