工学部医用生体工学科の3年次生を対象とした「医療接遇とコミュニケーション講座」を、11月26日に伊勢原キャンパスで実施しました。本学科では、人工心肺装置や人工呼吸器、血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作や保守点検を担う臨床工学技士を目指す学生が学んでいます。この講座は、2月から始まる医療機関での臨床実習を前に、患者や家族への対応やチーム医療の一員として求められるコミュニケーションスキルを身につけてもらおうと開いたものです。本キャンパスに駐在し、就職支援などを担当している全日本空輸株式会社(ANA)客室乗務員の佐藤友紀さんが講師を務め、約30名が参加しました。
佐藤さんは、「医療従事者は、不安を抱える患者さんや家族に安心感や信頼感を抱いてもらうことが大切」と語り、医療現場で必要な身だしなみやあいさつ、立ち居振る舞いについて説明。また、「聞き上手になる」「共感する」といった、相手とよい関係を築くためのコミュニケーションのポイントや、体調や感情をコントールするセルフマネジメントの方法についても紹介しました。さらに、観察や質問によって相手の本当の気持ちや心理状態、隠れた要望を把握する“気づき”の重要性を指摘し、「皆さんの対応によって、患者さんの治療に対する意欲を高められることを意識してください。患者さんや受け入れてくださった医療機関への感謝を忘れずに実習に臨んでほしいと思います」と語りました。
学生からは、「患者さんや家族の方にとっては、学生も“病院のスタッフ”であることを忘れずに、気を引き締めて実習に取り組みます」「親しみやすさと馴れ馴れしさの違いがわかりました。普段から気をつけるよう心がけ、実習はもちろん就職活動にも生かしたい」といった感想が聞かれました。指導する綿引哲夫教授は、「この医療接遇講座で学習した良好な人間関係のつくり方を臨床実習で生かし、実習で得たスキルと履修した座学での学びを力として、これから始まる国家試験や就職活動などを乗り越えてほしい」と学生への期待を語っています。