建築学科の太田さんが「神奈川7大学1専門学校卒業設計コンクール」で銀賞を受賞しました

工学部建築学科4年次生の太田匠さん(指導教員=野口直人助教)が、3月6日に横浜市民ギャラリー展示室で開催された「第33回神奈川7大学1専門学校卒業設計コンクール」(主催:社団法人日本建築家協会JIA神奈川)の公開審査で銀賞を受賞しました。神奈川県内で学び、建築家を目指す学生の卒業設計を対象としたコンクールで、実社会で活躍する建築家と学生の触れ合いの場をつくり、地域文化の活性を図ることなどを目的に毎年開催されています。

太田さんの作品名は「弔いの聚落」で、「継承する空間」として建築化した墓の群れからなるこれからの都市部における新しいランドスケープを提案しました。「小さいころから母に連れられてお墓参りに行くことが多く、私にとってお墓は身近な存在でした。しかし現代では、ビル型納骨堂や自然葬といった後世に負担が少ない葬送法が注目され、墓地の存在意義すら問われています」と話します。卒業設計では、高さのある墓石は建築の大黒柱のように、低い墓石は家具の足のような役割として活用し、家屋の屋根のような構造物を上に載せる建築を考案しました。「このお墓では、遺族の故人への向き合い方によって多様な形態を選ぶことができます。屋根に腰かけて公園のようにくつろぎ、隣のお墓を訪れた人とコミュニケーションを図るなど、墓地を訪れる目的が多様なものとなり、そこに居場所ができます。そうして一つの町となり、『弔いから始まる町』として文化が生まれる」と説明。また、「後継者がおらず、墓終いをする人も増えていますが、ネガティブにとらえるのではなく、隣の墓の庭先として、町の公共スペースとして、場所を継承していくことができます」と話しました。

太田さんは、「平均的な作品ではなく、自分のやりたいこと、個性を貫き通す作品をつくりたいと思い、卒業設計に臨みました。銀賞という高い評価をいただき、大変うれしく思います」とコメント。なお今回の結果から、例年6月に開催されている全国学生卒業設計コンクールに進むことが決まっています。