
工学部(建築都市学部)土木工学科の4年次生5名がこのほど、「第5回ナノコン応用コンテスト」で最優秀賞を受賞しました。超小型軽量のIoTデバイス「ナノコン」を使った技術とアイデアを競うコンテストで、学生や企業など14チームが参加し、作品説明資料と説明動画による審査が行われました。
受賞したのは、建築都市学部土木工学科の杉山太宏教授の研究室に所属する網本奨聖さん、菊地暉紀さん、櫻井開翔さん、神馬一稀さん、久岡陽介さんのグループによる「土砂崩れ予兆検知システム」です。杉山教授の研究室では5年前の同コンテストで、地盤沈下によって住宅が傾く現象をリアルタイムにモニタリングできるセンサシステムを開発して最優秀賞を受賞しています。今回の研究では、本学科の藤原覚太講師と共同で、傾斜角に加えて移動量(変位量)も検出できるセンサシステムを開発。小さな杭などに取り付けて自然・人工の斜面に設置することで傾斜角と移動量を随時測定し、スマートフォンなどに送られてくる数値から土砂崩れの予兆を感知できれば、被害を最小限に抑えられる可能性があるとしています。
杉山教授は、「土砂災害の危険度は市区町村のハザードマップにまとめられていますが、危険度の低いとされる地域でも災害が起こらないとは限りません。今回開発したシステムは、これまでの製品には無い地盤の移動量計測を可能にしました。安価に製作できますので数多くの場所に設置できるメリットがあります。審査会では、審査項目の一つ“しびれた度”が審査員全員満点だったそうです」とコメント。夏休み返上で開発と実証実験に取り組んだ学生たちは、「測定した加速度データを積分する過程で誤差が生まれてしまい、他の論文などを見ながら解決方法を探す時間が一番大変でした。プログラミングは専門ではないので、技術職員の竹内義晴さんに一つひとつのコードの意味から教えてもらい、手伝ってもらいながらなんとか形にすることができました。環境を変えて実証実験を繰り返し、さらに精度向上を図りたい」と話しています。

