相洋高校の生徒らが長谷川研究室などを見学しました

 総合科学技術研究所の長谷川真也教授(工学部機械工学科兼任)の研究室に7月22日、神奈川県・相洋高校理科部の生徒4名と教員が訪れ、熱音響機関などを見学しました。昨年12月に開催された「小田原白梅ライオンズクラブ・早稲田大学 科学コンテスト」で相洋高理科部の吉際雛乃さん(1年=当時)が「音発電」について発表し、「高校の部」で最優秀賞を受賞。科学への関心を高めてもらおうと、審査員を務めた本学の稲津敏行副学長(理系担当)が主催者を通じて、類似研究に取り組む長谷川教授を紹介したことがきっかけで実現しました。

 長谷川教授や総合科学技術研究所の千賀麻利子助教は、工場や自動車などでの化石燃料の燃焼によって生じる排熱(空気中に捨てられる熱)を回収して再利用し、細い管に温度差を加えることで発生する音波を使って発電する熱音響機関について研究しています。当日は長谷川教授と千賀助教が熱音響機関のほか、自転車用の空気入れを改造して細い管の中の空気を圧縮・膨張させることで生まれる温度差を利用した冷却装置や、熱や流体の動きをレーザーで可視化した装置などを紹介。釜で湯を沸かす際に音が鳴る現象を用いて吉凶を占う「鳴釜神事」の原理なども解説しました。その後は、17号館の「高度物性評価室」株式会社ニコンインステックとの包括協定の締結により設置された「イメージング研究センター」も紹介し、生徒たちは興味深く見学していました。

 稲津副学長は、「見学が決まってからも新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期が続き、やっと実現することができました。大学を解放し、座学で知識を蓄えるだけでなく、実験や研究を通して生徒の興味関心を引き出すことは新しい地域貢献になると考えています。今後も付属高校や地域の高校を対象にした見学会などを開き、若い発想を新しい研究にもつなげられれば」と語りました。