建築学科卒業設計の審査会を行いました

工学部(建築都市学部※)建築学科では1月20日から28日まで湘南校舎で、卒業設計の審査会を行いました。

20日は4年次生が卒業設計で提出した約40作品をすべて展示してポスターセッションを行い、学生たちが自身の作品について説明。上位10作品を決定しました。26日には本学科の教員と外部審査委員による審査会と講評会を行い、都丸優也さん(指導教員=岩﨑克也教授・建築都市学部長)の作品「不協都市のリハーモナイズ―3つのアプローチにより都市個性を結う音建築の提案―」がトップ評価のTD賞に決まりました。都丸さんは、都市開発によって丘陵地帯が失われた小田急線・新百合ヶ丘駅周辺に、「発展する都市」「残される丘陵・自然」「育まれる芸術・文化」をキーワードにした新しい文化施設を建設する案を発表。音楽ホールをメーンとし、あえて音を周囲にもらすことで、隣接する図書館や商業施設のBGMとして生の音を感じられる設計にしました。「中学生のころによく遊びに行っていた新百合ヶ丘の町を調査する中で、都市開発によって丘陵地帯が削られてしまったことを知りました。床は丘陵の一番低いところと、屋根は一番高いところと同じ高さにそろえ、今も残っている自然も生かすことでかつての風景を復元しました」と語りました。また、TD賞を含む上位5作品の学士賞の中から大野維親さん(指導教員=岩﨑教授)の作品「都市と自然を境界層で紡ぐ―吉祥寺と井の頭公園が形成する滞留型文化機能の構築」がゲスト審査委員である西澤徹夫さん(株式会社西澤徹夫建築事務所、第73回日本建築学会賞受賞)による推薦で西澤賞を受賞しました。

さらに、28日には建築学科の卒業生からなる「東海大学建築会」による「KDA2022東海大学建築会卒業設計賞」が開かれました。午前中はポスターセッションとして学生たちが自身の作品を説明し、午後は5名の審査委員による講評会が行われ、投票の結果、中元萌衣さん(指導教員=野口直人助教)の作品「空際に浸かる 終着のない旧青函連絡船桟橋で時間を創造する」がトップのKD賞に選ばれました。中元さんは、かつて青森駅と函館駅との間で運航されていた青函連絡船に着目。2022年に函館駅近くに完成した「函館クルーズターミナル」がコロナ禍で利用者が少なく、市民とのかかわりも薄いことから、これに接続する形で海上に青函連絡船の航路を再現するような新たな施設を建設し、市場や温泉の施設を置きました。

※東海大学工学部は2022年4月から工学部と建築都市学部の2学部に改編され、建築学科は建築都市学部を構成する学科となりました。