国際学科では2月14日と16日、27日から29日にかけて、国際理解講座「国際学科卒業生と学ぶ最先端のグローバルビジネススキル」を開講しました。この講義は本学科の1、2年次生を対象に開講している授業「Global Action Advanced A」の一環で、社会で活躍する人にあらゆる実例を語ってもらい、学生たちがグローバルキャリアへの関心を高め世界に出ていくきっかけをつくることを目的に実施したものです。期間中は参加を希望した3年次生を含む13名が受講。昨年1月に実施した国際理解講座でも登壇した、アマゾンジャパン合同会社・元経営会議メンバー兼ディレクターの星健一氏(教養学部国際学科1988年度卒、kenhoshi&Company代表、ほか数社の上場会社の社外取締役)と、日本マイクロソフト株式会社・元常務取締役の高橋明宏氏(教養学部国際学科1988年度卒)の両氏が学外講師を務めました。
2月14日は渋谷キャンパスで星氏が「Mini-MBA 企業研究~amazon流経営と求められる人材とは?」をテーマに講義。11名の学生が参加しました。星氏は、アマゾンが大事にしている顧客中心主義の徹底や仕事に対する当事者意識、さらにマネージャーとリーダーの違いに加え、組織デザインや人事評価制度などを同社の創成期から成長期を経営陣の一員として支えた自身の経験をふまえて説明。「今、やっていることだけではなく既存のものに取って代わるまったく新しい技術やサービスを創造する“破壊的”な思考が重要。AIなど最新の技術に常に触れ、その上で戦略や企画提案など人間にしかできない役割を果たすことがますます大切になります」と語りました。
学生からは「利益を出す仕組みの落とし込み方は?」「仕組化する際の問題点を見つける手順は?」といった質問や、自身の学生生活の経験から「うまくいかなくなってしまったクラブ組織の立て直し方は?」など多岐にわたる積極的な質問がありました。星氏は一つひとつ丁寧に答え、「危機感を持って自分の現状の“棚卸”に取り組み、高い英語力を身に付けることは必須。卒業後の就職をゴールとせず、常に転職を視野に入れながらキャリアアップを図ることが大事です」とアドバイスを送りました。
講義の後半ではワークショップを実施。学生は3グループに分かれ、「amazonで活躍できる人材になるための学生時代からできるキャリアプランは?」と「amazonが売り上げを加速するための新サービスとは?」のテーマに取り組み、グループごとにプレゼンテーションし、星氏からそれぞれ講評やさらなる課題の指摘などを受けました。学生からは、「社会で活躍する人の話を間近に聞けて、自分ももっと頑張ろうと大いに刺激を受けた」「世界的な業績を上げている先輩に続けるよう学生生活を充実させたい」などの感想がありました。
また、16日には星氏の案内で、AIを駆使したサービスを提供しているAI inside社(東証グロース上場)を訪問。AIの可能性や社会・職業の変容について学び、学生生活でのキャリアプランを考え、社長からは起業、売却の繰り返しから現在までのキャリアについてご説明をいただき、さらに、3グループに分かれて「AIを利用したサービス提案」についてディスカッション後、先方の社長やディレクターに対してプレゼンテーションを行いました。
続いて高橋氏が担当した27日から29日には、渋谷キャンパスでの講義をはじめ、日本マイクロソフト株式会社とグーグル合同会社を訪問。両社の社員とも交流しながら企業が求める本当のグローバル人材やグローバル企業で働くために必要なスキルなどについて学びました。
授業を担当する田辺圭一准教授は「グローバル企業がいかに課題を克服して成長したのか、同時期に組織を牽引した当事者の肉声を聴くのは大変貴重な機会。また、それぞれの企業で活躍する社員の1日を体感し、グローバルに活躍する社員や管理職のメンバーとの対話は一般の企業訪問ではできないことです。講義を通してビジネスの厳しさや面白さを体感し、学生たちが目指すべき方向性を考え、スキル向上の意欲につながれば」と話しています。