国際学部・環境サステナビリティ研究所のタギザーデ准教授が「第5回ジャパンリサーチフロントアワード」を受賞しました

国際学部国際学科のタギザーデ・へサーリ・ファルハード准教授がこのほど、所属する東海大学環境サステナビリティ研究所の所員としてクラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社が選出する「第5回ジャパンリサーチフロントアワード」(後援=文部科学省)を受賞。5月22日に東京都・赤坂TKPカンファレンスセンターで開かれた表彰式に出席しました。本賞は4年に一度、今後飛躍的な発展が期待される先端研究領域(リサーチフロント)を特定し、その分野をリードする研究者が表彰されます。学術文献引用データベース「Web ofScience」に掲載され、高い頻度で引用されている上位1%の論文(高被引用論文)のうち、後に発表された論文と一緒に引用(共引用)されている論文の分析に基づいて選出されます。今回は、全世界1万2726のリサーチフロントから、日本の研究機関の貢献が高いと認められる11のフロントと、その中で顕著な功績が認められる研究者のうち、2001年以降に学位を取得した11名が受賞しました。

持続可能な社会を実現するためのプロジェクトへの投資を指す「グリーンファイナンス」の研究を専門とするタギザーデ准教授は今回、「経済学:持続可能な経済発展」と「金融学:グリーンファイナンスと再生可能エネルギー」の2つのフロントで選出されました。「この研究を始めた6、7年前はまだ認知度が低いテーマでしたが、ここ数年SDGsが世界のトレンドとなったことが影響し、論文の引用数増加につながったと感じています。今回の受賞は大変光栄なことですが、それ以上に自分の研究成果が世界中の企業や研究者から論文の引用数という形で評価されたことをとてもうれしく思います」とコメント。また、「日本でもSDGsに取り組む企業はたくさんありますが、実際には資金不足により問題解決のための十分な行動ができていないケースが多く見られるなど、投資額に世界とのギャップができています。研究において最も重要なことは、社会における問題を理解し、その解決策を講じること。私の研究ではこうしたギャップを埋めるべく、グリーンボンド(企業や地方自治体などが国内外における環境課題解決に向けた事業に要する資金を調達するために発行する債券)の効果を高める方法や炭素課税の影響などを分析しているので、多くの企業に役立ててもらいたい」と語っています。

また、こうした研究実績を踏まえた教育活動について、「自分が実際に学んだことや経験を基に教えており、所属する国際学科の開講科目『SDGs』ではエネルギーに焦点を当て授業を構成しています。海外からもワークショップや講演の依頼を受けることが多いので、教育者として今後も国内外の学生や研究者に自分の研究成果を還元していきたい」と話しています。