「秦野市が抱える子どもの食の課題」に関する講話と意見交換を行いました

健康学部健康マネジメント学科の森真理准教授のゼミが7月15日、WEBビデオ会議システム「Zoom」を使って「秦野市が抱える子どもの食の課題」に関する講話と意見交換を行いました。同市では来年12月からすべての中学校でセンター方式の完全給食を実施することを目指しており、栄養学や食育を専門とする森准教授がその選定委員を務めています。本ゼミでは子どもの食環境に興味を持つ学生が多いことから、キャンパスのある秦野市の子どもの食の現状と課題を聞こうと秦野市教育委員会教育部学校教育課の管理栄養士・榎本七海氏を講師に招き、ゼミ生11名が参加しました。

初めに榎本氏が、「秦野市は約8000名が通う13校の小学校で学校給食を取り入れており、各校の栄養士が献立を作成し、学校内で調理・提供しています。農業体験や地場の食材を使ったメニューを提供するなど、食育も盛んです。一方で約4000名が通う9校の中学校では牛乳のみを提供し、それ以外の食事は各自弁当やパンなどを持参してもらっています。牛乳も希望者のみの注文なので、生徒の成長に合わせた栄養量が確保されているとは限りません」と現状を説明。「牛乳の注文数を増やし、カルシウムなど成長に必要な栄養を確保するためにどのような対策ができるか、皆さんの意見を聞かせてください」と語りかけました。

学生からは、「私の弟は牛乳嫌いですが、カルボナーラスパゲッティーにすると喜んで食べてくれます。料理に活用するなど、まずは苦手意識をなくす必要があるのではないでしょうか」「スポーツをするためにはこの栄養素が必要、というように、牛乳を飲まなくてはいけないと強制するのではなく、アプローチを変えて食に興味を持たせてから、主体的に取らせる方法もあると思います」といった声が挙がります。また、「牛乳にイチゴやチョコレートの味をつける商品を使ってみては」「アレルギーや乳糖不耐症などによって牛乳を摂取できない人もいます。牛乳以外の食材からカルシウムを取る方法を考えるのも一案では」といった声もありました。

森准教授は、「大学生が中学校を訪れて食育の指導に当たっている事例もあります。秦野市の実態を知ったうえでどのように課題を解決していけばいいかを学生とともに考え、今後の活動につなげていきたい」と期待を寄せました。