「留学生の受け入れと研究指導」をテーマに教員対象の研修会を開きました

大学院健康学研究科と健康学部では9月7日に湘南キャンパスで、「留学生の受け入れと研究指導」をテーマにFD研修会を開きました。昨年度設置した本研究科は、前身である健康科学研究科保健福祉学専攻時代から多くの留学生が在籍しており、本学部も開設から6年間で46名を受け入れています。中でも特に多い中国からの留学生について、これまでの指導法や課題などを共有し、今後に生かそうとテーマに設定しました。

はじめに有賀誠司研究科長が、「留学生の研究指導について豊富な経験を持つ先生方からお話をうかがい、今後の指導に役立ててください」とあいさつ。続いて、本研修を担当する中野いずみ教授が日本における留学生数の推移や本学部・研究科の受け入れ状況などを説明しました。話題提供として、西村昌記教授、妻鹿ふみ子教授が「留学生の研究指導の経験から」と題して、学生の具体的な例を挙げて指導方法や課題などを語り、語学教育センター留学生支援教育部門の北村よう教授が「中国語母国語話者に対する日本語指導―日本語との違いから来る難しさ―」をテーマに講義。「日本語にあって中国語にないもの」について語った北村教授は、「中国語には述語の形態変化がなく、過去と現在や、変化と状態の区別の仕方が日本語とは異なります。日本語の助詞が果たす役割は語順で担う、自動詞と他動詞が同じ形の場合が多い、句読点の使い方が日本語と異なる」と説明し、中国出身の留学生が日本語で論文を書く際に苦労するポイントを解説しました。

その後は、中野教授の司会で西村教授、妻鹿教授、北村教授が教員からの質問に回答。「入学前にどのような課題を設ければよいか」「大学内で留学生をサポートする制度はどのようなものがあるか」といった質問が上がりました。最後に菅野和恵学部長が、「先生方のお話を聞いて、私自身がもっと留学生とコミュニケーションを取るのはもちろん、学部として日本人学生と留学生が交流できる場も設けていきたいと感じました。今日をきっかけに秋学期からどのように取り組んでいくか考えていきます」とまとめました。