
健康学部健康マネジメント学科の学生たちが、湘南キャンパス近くの秦野市・下大槻団地で健康に関する情報を発信するプロジェクトを展開しています。同団地では移動販売や週5日のラジオ体操などが行われていますが、高齢化が急速に進んでおり、情報が届いていない人も少なくありません。そこで、澤岡詩野准教授が同団地自治会とUR都市機構と連携して昨年から取り組みを開始。今学期は、身近な課題の調査・研究を経て解決を目指す「フィールドワークB」の授業を履修している20名が参加し、「地域を健康にする情報発信プロジェクト」として掲示板のリニューアルに取り組んできました。12月10日には今学期最後の活動として、団地内の掲示板や近隣の郵便局などに学生たちが制作したラジオ体操などを紹介するポスターを貼りました。
学生たちはこれまで、ラジオ体操に参加したり、ひろはたふれあいプラザで行われている介護予防教室「エンジョイカレッジ」でボッチャを体験したりと、健康づくりの場で参加者と交流しながらその魅力を探ってきました。学生たちは、「健康のために体を動かすだけではなく、終わったあとに自然と会話が生まれ、心の支えや安心できる居場所にもなっていると感じました」(相原莉緒奈さん・1年次生)、「参加したいけどなかなか行く勇気がない人や活動を知らない人を想像しながら、実際に参加して感じたことを思い出してポスターを作成しました」(渡邉花さん・同)と話します。イラストや説明を交えたカラフルなポスターのほか、外国籍の住民を想定した英語版など、それぞれの思いを込めたポスターを完成させました。


ポスターの掲示を終えた学生たちは、「みんなで作ったチラシが新たなつながりのきっかけになったらうれしい」(倉田愛梨さん・同)、「高齢者だけでなく、若い人も参加しやすいイベントをつくりたいと思う一方で、実現に向けた難しさも感じました。住民の方々の温かさを忘れず、誰もが参加しやすいコミュニティづくりについて、これからも考えていきたい」(高橋美聖さん・同)と口々に感想を話していました。指導した澤岡准教授は、「人の生活に関わる職業に就く学生さんたちに、授業を通して健康格差の裏にあるさまざまな日常の課題に目をむけるきっかけになってほしい」と語りました。

