「体の変化をとらえる技術」の授業で(株)タニタによる講義を実施しました

健康学部健康マネジメント学科では11月20日にオンラインで、「体の変化をとらえる技術」の授業で(株)タニタによる講義を開催しました。安田佳代講師が担当するこの授業は、健康に関する体の基礎的な知識を集約し、より深く考察するとともに、生体センサーを用いた遠隔操作やデータ取得から健康指標を確立する最新の方法・技術を理解したうえで実際に活用することを目指しています。今回は、タニタの体組成計開発チームのメンバーである和智湧斗氏と西澤美幸氏、佐藤富男氏が講師を務め、学生と教員約50名がWEBビデオ会議システム「Zoom」で聴講しました。

はじめに和智氏が、同社は1923年に「谷田賀良倶商店」として創業し、59年からヘルスメーターの製造・販売を始めた経緯を紹介。「健康をはかる」商品やサービスを提供することで、健康づくりを通して日本と世界の人々が幸せを感じられる社会の実現を目指すことがミッションであると説明しました。続いて、「ファストフードが大好きな若者を健康にしたい」という課題を例に、プログラミングを用いて栄養素データベースを作り、その人に合った組み合わせを考え、実際に食べてみるといった検証方法を紹介し、「アプローチはさまざまで、正解は一つではありません。利用者のことを考えることが大切です」と語りかけました。

その後は和智氏と西澤氏が体組成計の開発に取り組んだ際の秘話に触れ、「同じ体重でも、筋肉と脂肪の重さによって見た目の体形は全く異なります。そこで、脂肪は電気を通しにくく、筋肉はよく通す点に着目し、体に微弱な電流を流して計測する『生体電気インピーダンス法』を用いた体組成計を開発しました」と話しました。続いて佐藤氏が、椅子から立ち上がるだけで脚の筋力とバランスを計測できる運動機能分析装置「zaRitz」を紹介し、「厚生労働省などの調べでは、介護が必要になる原因の54.6%を骨折や転倒、関節疾患などの老年症候群が占めています。加齢に伴い、体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態である『フレイル』の段階で予防や改善ができれば、要介護状態に至る可能性を減らすことができます。そのためにzaRitzを活用してほしい」とまとめました。

今回の講演では、聴講者が入力したコメントがリアルタイムに画面に表示される「コメントスクリーン」のアプリを活用。「体内の水分は、日常ではどの程度変動するのでしょうか?」「フレイル予防には筋量より筋力を重視したほうがいいのでしょうか?」といった質問が多数寄せられ、聴講者参加型で活発な質疑応答が行われました。