付属大阪仰星高校1年生を対象とした体験授業を実施しました

教養学部では11月11日に湘南キャンパスで、付属大阪仰星高校1年生を対象とした体験授業を行いました。同校のキャンパス見学会に合わせて、将来の進路選択に生かしてもらうことを目的に、現代文明論の授業の一環として実施。人間環境学科の岩本泰教授と、芸術学科の瀧健太郎准教授が講師を担当しました。

岩本教授は、教養学部が連携に関する覚書を結ぶ神奈川県松田町の名産品である「足柄茶」をテーマに、山間部の少子高齢化や夏の高温、ヤマビルの発生などを受けて生産農家が減少している実状を解説。研究室では茶葉の販促に向けた方策を検討していることから、成功例として京都府の名産品である「宇治茶」のブランド化や、インバウンド観光客をターゲットにした茶道体験などについて紹介しました。また、急須で淹れた緑茶とペットボトル飲料の飲み比べも行い、生徒たちは名産品を通じた地域振興の在り方について考えるきっかけとしました。岩本教授は、「足柄茶は全国的な知名度が低く、生産を辞めてしまう農家さんが増加する状況です。関西で暮らす大阪仰星高校の皆さんには、体験授業を機に神奈川県の産業や研究室の取り組みを知ってもらえたらうれしい」と話していました。

瀧准教授は、19世紀ヨーロッパで発明されたアニメーション装置「フェナキストスコープ」を制作するワークショップを実施しました。丸い厚紙を12コマに分割して切れ目を入れ、鏡に映して回転させながら隙間からのぞき込むと、描いた線や絵が動いて見える仕組みで、教室は大いに盛り上がりました。生徒たちはアニメーションの原理を学び、大学での芸術を学ぶ学修活動について理解を深めました。瀧准教授は「小中学生のころにコロナ禍を経験した皆さんに、あえてアナログなものに触れ、テクノロジーの仕組みを考えてもらう場にしたいと思い、この授業を企画しました。中にはカッターを使ったことがない生徒もいて、手を動かす作業そのものが新鮮で楽しんでもらえたと思います」と振り返りました。