大学院芸術研究科音響芸術専攻では3月11、13日に、修了演奏会を開催しました。本専攻演奏分野の修士課程修了リサイタルとして1981年度より毎年のように実施してきましたが、本専攻内の演奏分野と音楽学分野を統合したことに伴い、今回が最後の演奏会となりました。2名の大学院生がこれまでに磨いてきた演奏技術と練習の成果を披露しました。

11日には海老名市文化会館で、松原彩花さんによるピアノリサイタルを開催。『クラヴサン組曲 第3巻 第13組曲』より〈ゆりの花ひらく〉〈葦〉(F.クープラン)、『舟歌 第2番 ト長調 op.41』(G.フォーレ)、『版画』(C.ドビュッシー)、『ナゼルの夜会』(F.プーランク)の4曲を披露しました。松原さんは、「先生方や家族、ご来場いただいた皆さまのおかげで、リサイタルを無事に終えることができホッとするのと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。リサイタルを通して、音楽だけでなく自分自身も大きな一歩を踏み出し、成長することができたように思います。大学と大学院の6年間を振り返ると、さまざまなイベントで演奏する機会の中で、その都度新たな出会いと学びがありました。特に、ベルゲン大学(ノルウェー)との国際交流ピアノ演奏会や、キャンパス近隣の団地や病院で演奏できた経験は、思い出深いです」と振り返ります。また、「今後は、子どもたちのピアノやリトミック指導に携わります。一人ひとりの個性が輝けるように、私も楽しみながら、子どもたちをサポートして行きたいです」と展望を語りました。

13日には東京都・豊洲シビックセンターホールで、木村友美さんのピアノリサイタルを開催しました。『巡礼の年 第2年「イタリア」S.161』より〈婚礼〉〈ペトラルカのソネット第123番〉(F.リスト)、『バラード 第4番 ヘ短調 op.52』(F.ショパン)、『ピアノ・ソナタ 第23番 「熱情」 へ短調 op.57』(L.v.ベートーヴェン)など、多様な楽曲を演奏しました。リサイタルを振り返り、「これまでの学びの集大成として、それぞれの作品の持つ魅力を自分なりに表現することを意識して演奏しました。お客さまの温かい空気に支えられ、最後まで演奏することができました」と語ります。また、「入学当初はコロナ禍で、不安の中でのスタートだったことを覚えています。ピアノの技術がもちろん、音楽に対する学びや向き合い方についても多くのことを学び、6年間で得たものは大きな財産となりました。今後は経験を生かし、教員として音楽の楽しさや魅力を次の世代に伝えていきたいと思います」と目標を語りました。
沖野成紀研究科長(当時)は、「私はリサイタルへの寄せ書きを、いつも『斯々然々演奏を楽しみに』などと締めくくってきましたが、今回は45年の歴史の重みも噛み締めつつ臨みました。しかし、リサイタル・シリーズが終わるからといって、これが当専攻として最後の修了演奏会だと宣言するつもりはありません。これからも、指導教員と院生の専門性や方向性によっては、何らかの形で演奏や作曲の発表の場を開くことがきっとあるでしょう。その際には再び多くの方にご来場いただけるとうれしく思います」と語りました。