
教養学部人間環境学科の岩本泰教授の研究室では、10月11日に湘南キャンパスで開催された「TOKAIグローカルフェスタ2025」の企画として「サスティナブル百貨店」を実施しました。同研究室では2022年度からグローカルフェスタに参加しており、今回はサスティナブルな商品の販売やワークショップを用意。岩本教授が担当する同学科開講科目「エシカル消費論」などで外部講師を務める株式会社イケヒコ・コーポレーションと、今治タオル製品メーカーの西染工株式会社、同研究室がシティープロモーションに協力している神奈川県松田町で活動するコミュニティカフェおうち、NPO法人仂が出店しました。
い草製品を販売する総合インテリアメーカーのイケヒコ・コーポレーションは、い草のチップを詰めて高さを調整できる枕作りのワークショップを実施。開場直後に多くの来場者が集まり、同社の社員や学生がい草の機能などを説明しながら製作しました。また、8月に発生した九州豪雨災害の影響で、国産い草の主要産地である熊本県八代市が被害を受けたことから、芸術学科の檜垣智也准教授の研究室と連携してい草の魅力を伝えるオリジナル曲の制作に取り組んでおり、芸術学科の学生がイベントに合わせて同社広報の阿部ひかりさんにインタビューしました。阿部さんは、「神奈川県で学ぶ学生の皆さんが、九州で活動する我々のために動いてくれることはとてもうれしい。私たちが普段行う広報活動では届かない層にも、い草の魅力が伝わる機会になると思います」と語りました。西染工は、タオルを乾燥する際に排出される埃を用いた着火剤や、通常の工程よりも熱量・水量を削減して制作したデニム生地の商品などを販売。学生がTシャルのモデルになり、商品のプロモーションを行いました。



また、コミュニティカフェおうちがショップで取り扱う商品を展開。「松田町アロマen」が松田町の農家で普段廃棄されている摘果ミカンを用いて製作した「青みかん精油」の販売と、同商品を用いたナチュラルアロマディフューザーのワークショップを行いました。来場者は精油を染み込ませたウッドチップやハーブ、松ぼっくりなどをカップに詰め、オリジナルの作品を作っていました。NPO法人仂は、間伐材を活用したまな板作りのワークショップや、同町・中津川の水で蒸留したヒノキの精油の香り体験を行いました。松田町アロマenのスタッフは、「学生の皆さんのサスティナブルに関する意識の高さに驚きました。こうした活動を通じて、多くの人に農家の課題や松田町の特産品について知ってもらえたらうれしい」と話していました。岩本教授は、「地場産業を通じて、地域を応援することを目的に本企画を実施しました。間伐材や摘果ミカン、い草やコットンなど、“自然を生かして暮らしを楽しむ”というコンセプトのもと出展していただき、訪れた市民の方々にも楽しんでいただけたと感じています。松田町との連携授業では、長く同町の関係人口を増やす取り組みを実施してきましたが、グローカルフェスタの出展もその一つ。今後も楽しいことや面白いことでつながるきっかけづくりをしていきたい」と語りました。