教養学部人間環境学科自然環境課程の学生と卒業生らが、9月21日に静岡市立清水三保第二小学校で、27日に付属静岡翔洋小学校で出前授業を行いました。本学が文部科学省の採択を受けて取り組んでいる「To-Collaboプログラム」の大学推進プロジェクト「エコ・コンシャス計画 環境保全事業」の一環で実施したものです。
三保第二小では、6年生を対象に本課程の日比慶久講師がタツノオトシゴの生態や分布、駿河湾や伊豆に生息する種類について重点的に説明しました。海岸侵食をテーマにした5年生の授業では、本課程の学生らが模型を使いながら解説。同校では、学校に近い三保の松原の自然環境や海岸侵食といった身近なテーマを1年間かけて総合学習の授業として学んでおり、「今回は授業の1コマを使ってわかりやすく伝えてほしいという依頼だったので、半分に切ったパイプに砂を溜めて水がどのように流れるかを見てもらったり、粘土でダムを作って構造を説明したりしました。海の近くに住んでいるといっても、砂浜で遊んだことがある子は数えるほどで、あまり関心のない子が多かったのですが、これまで教科書で理論だけを学んでいたものが、自分の目で見てより理解し、興味を持ってくれたように感じました」とリーダーの菊池章仁さん(大学院人間環境学研究科1年次生)は振り返りました。
また静岡翔洋小では、科学クラブの4年生から6年生を対象に本課程の学生たちが水生昆虫についての授業を実施。小瓶に入った水生昆虫のサンプルを観察したあと、リーダーの伊藤敬哉さん(4年次生)が卒業研究で作った水生昆虫カードを使って、「川の昆虫を分類してみよう」と題した課題に挑戦しました。児童たちはカードに描かれた生物がどこに生息しているかといったヒントを参考にしながら答えを導き出し、最後に学生たちが細かく説明しました。伊藤さんは、「児童たちが興味を示してくれる授業ができるか不安でしたが、科学クラブで活動しているだけあってとても好奇心旺盛で、熱心に話を聞いてくれました。たくさんの方々に協力していただいたおかげで、楽しんでもらえる授業ができてよかったです」と語りました。
学生たちをサポートしたNPO法人東海大学地域環境ネットワークの松本晃一さん(2008年度人間環境学研究科人間環境学専攻修了・本学職員)は、「授業の準備をしたり、人に教えたりすることは、学生にとってとてもいい経験になったと思います。自然環境を学んでいる学生と卒業生で協力して、これからも机の上だけではわからない自然の面白さや驚異を子どもたちに教えていければと思います」と話していました。