卒業生2名が「第82回新制作展」の彫刻部門に入選しました

大学院芸術学研究科造型芸術専攻を2004年度に修了した小口偉さんと、同じく造形芸術専攻を10年度に修了し、本学の教養学部美術学課程で指導にあたっている原田理糸非常勤講師が、9月19日から 10月1日まで東京・国立新美術館で開催された「第82回新制作展」の彫刻部門に入選するとともに、「新作家賞」を受賞しました。美術団体「新制作協会」が主催するこの美術展は日本を代表する美術家を数多く輩出しており、絵画、彫刻、スペースデザインの3部門で構成。会員の投票によって入選作が決定され、「協会賞」と「新作家賞」が選ばれます。今年度は彫刻部門で8名が新作家賞に選出されています。

2年連続3回目の受賞となった小口さんは、『とどまる』と題した横幅約2m50cm、高さ約1m90cmの作品を出品。「乗せる」をテーマに造形し、横たわった木の上にバランスの難しいパーツを乗せて緊張感のある空間を表現しました。「2年連続で新作家賞に選出していただきとてもうれしく思います。今まで以上に自分の仕事や作品を作る姿勢に向き合っていきたい」と感想を述べました。

また、原田講師は横幅約2m30cm、高さ約1m90cmの作品『開く』で2回目の選出。「2014年度の美術展で新作家賞を受賞した作品『のびひろがる形』とつながっている作品です。初めての受賞から4年空いてしまったのですが、その間は作品に対する思いや考え方がまとまらず納得のいく作品が作れずにいました。そんな中で今年は構想に技術が追いついた手応えがあり、新作家賞も受賞できてほっとしています」と振り返りました。原田講師は今後について、「美術展での成果よりも、そこに至るまでに失敗してきた経験が指導に生かせていると感じています。具体的な経験談や壁の乗り越え方を本課程の学生たちに伝えていきたい」と語りました。

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