情報通信学部の中谷准教授が国際会議で基調講演を行いました

情報通信学部の中谷裕教准教授が、7月16日にタイのチェンマイで開催された生体医工学に関する国際会議BMEiCON2025(Biomedical Engineering International Conference)に招待され、基調講演を行いました。生体医工学は、工学的な技術を活用して生命現象を明らかにするとともに、診断や治療に有効な手段を提供することを目的にした医学と工学の融合領域です。中谷准教授の演題は「Exploring cerebellar EEG dynamics during motor learning」で、自身が取り組んでいる小脳活動の脳波計測に関する講演を行いました。

小脳は運動学習や制御の中枢です。そのため、小脳に疾患が生じると運動機能に障害が出ます。小脳の活動を脳波として計測することは困難だと考えられており、臨床の場での小脳疾患患者の診断は運動機能の評価に基づいています。そこで、脳科学および生体医工学を専門とする中谷准教授は小脳活動の脳波計測技術の開発に取り組んでいます。脳波計測技術が臨床の場でも活用されるようになれば、小脳疾患を脳活動に基づいて診断できるようになります。

今後の展望として中谷准教授は、「私たちの運動・認知・感情は脳活動によって実現されています。脳がどのようにしてこれらの機能を実現しているかを理解し、またその知見を臨床の場で活用できるように、脳活動の計測と解析に関する技術開発に取り組んでいきます」と話しています。