Worldcomp2015で大学院生の小林桂さんが優秀学生論文賞を受賞しました

7月27日から30日まで、アメリカ・ラスベガスで開催された「The 2015 World Congress in Computer Science, Computer Engineering, and Applied Computing」(Worldcomp2015)に、情報通信学部通信ネットワーク工学科の石井啓之教授、宇津圭祐講師、石井研究室所属で大学院情報通信学研究科2年次生の小林桂さんと、博士課程2年次生のP. プンマヴォンさん、宇津研究室で修士課程1年次生の眞中絢美さんが参加し、研究成果を発表しました。この学術会議は、コンピューター関連の最新技術についての情報を共有し、研究者同士の意見交換の場を設けることなどを目的に、毎年世界各国から約2000名の研究者、教員、学生らが参加して行われているものです。

このうち、小林さんは“A Study on Secure Communication Method Using Secret Sharing Schemes over MANET”のタイトルで、アドホックネットワークなどの信頼できる第三者が存在しない分散ネットワークにおいて秘密情報を分散共有することにより、安全な秘匿通信を行える方法を提案。その結果、有線系で用いられる手法を秘匿通信が難しい無線環境に適用させたユニークなアイデアが高く評価され、優秀学生論文賞(Best student paper award)を受賞しました。
小林さんは石井教授の研究室で、自律分散型ネットワークの研究に取り組んでいます。重要な課題であるセキュリティの確保について、多くの研究者がさまざまなアプローチで解決方法を模索する中、学部生のころに授業で扱った「秘密分散法」という既存の暗号手法に着目。アイデアを練り、今回の発表に至りました。
小林さんは受賞について、「より安全性を高めるためにさまざまなアイデアや工夫を考えて石井先生や研究仲間と共有し、ディスカッションを重ねながら苦心して手法を論文にまとめました。国際会議という大舞台での受賞は、指導してくださった石井先生や仲間たちの協力があったからこそと感謝しています」と語っています。

石井教授は小林さんの受賞について、「学部から大学院まで向上心をもって懸命に取り組み、海外での研究発表にも積極的に参加するなど経験を重ねて成長した結果だと思います。海外のように不慣れな場所で不慣れな英語で発表することは大変ですが、必ず飛躍につながります。多くの学生に続いてほしい」と話しています。
今回の会議では、石井教授も「情報流通ネットワークシステム分野における研究貢献」によって「業績賞」を受賞しました(=写真右から2人目が石井教授)。石井教授は、「歴史ある会議での長年にわたる先進的なセッションの運営と会議論文集の編集委員としての役割が評価されたものと思います。今後も積極的に活動していきたい」と抱負を語っています。

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