ラオス国立大学の学生らがバーチャルリアリティの最先端設備を使った授業などを体験しました

ラオス人民民主共和国・ラオス国立大学の教員と学生11名が6月6日から12日まで、高輪キャンパスを訪問しました。科学技術振興機構(JST)が主催する「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」(さくらサイエンスプラン)の一環で、本キャンパスにある情報通信学部の施設を使った授業や近隣のIT企業訪問などを通して、さまざまな最先端のIT応用技術を学びました。さくらサイエンスプランは、アジアと日本の青少年が科学技術分野での交流を深めるとともに、共同研究の機会をつくることなどを目的とするものです。

一行は7日に吉田正廣学部長と歓談。吉田学部長は、「若い世代の交流を積極的に進めてほしい」とあいさつしました。期間中は濱本和彦教授(情報メディア学科)、程島奈緒准教授(同)、向井智彦講師(同)、渡辺晴美教授(組込みソフトウェア工学科)、撫中達司教授(同)、朝日弓未教授(経営システム工学科)、山本宙准教授(通信ネットワーク工学科)から、音声処理技術や映像制作技術、組込みソフトウェアのモデリングやプログラミング技術、ウェブCGI技術を用いた暗号とその解読演習などの授業を体験しました。

このうち7日に実施した向井講師の授業では、本学部にあるアジア圏で最大級の広さと解像度を持つバーチャルリアリティの最先端設備を使い、映像制作技術を学びました。向井講師はハリウッド映画のキャラクターの作り方などを例に、最先端のコンピュータグラフィックスについて解説。2人のラオス人学生が専用のスーツを着用し、身体に付けた端子によって動きがスクリーンに投影されると歓声が起こりました。学生らは「息づかいまで投影するには何個のマーカーを付けたらよいのか」「カメラの配置はどのように決めるのか」など熱心に質問。終了後には、「大きな設備で驚きました。身体の動きが映像化されるのを実際に体験し、とても興味がわきました」と話していました。

一行は同日、岡田礼子教授(高輪教養教育センター)から日本文化についてのレクチャーを受け、本キャンパスで活動する茶華道部顧問の末永節子職員(高輪教学課)による指導で初めての生け花に挑戦。茶華道部の部員も、花バサミの使い方や枝葉の切り方、剣山への刺し方をアドバイスするなど、一緒に生け花を楽しみました。また、10日には湘南キャンパスを訪問し、工学部航空宇宙学科のフライトシミュレータやチャレンジセンター「ライトパワープロジェクト」のソーラーカーを見学しました。期間中の夕食は本学部の学生有志がアテンドし、交流を図りました。

中心となって一行を受け入れた濱本教授は、「情報通信技術は、地域格差の解消など発展途上国にとっては特に重要な技術。その主要4分野を網羅する本学部の授業を体験してもらうことで、将来の日本への留学や共同研究への関心を促せればと考えています。また、本学部の学生たちにとっても、ラオスの学生たちと触れ合うことで同年代のアジアの学生たちが異国で頑張っている姿を目の当たりにし、大いに刺激になると思います」と話しています。

さくらサイエンスプランでは、今回の事業に先立つ5月22日から6月4日までカザフスタン共和国のナザルバエフ大学から12人の教員と学生らが本学を訪れ、湘南キャンパスを拠点に研究活動などを実施。5月31日と6月1日には本キャンパスで、バーチャルリアリティをはじめとする最先端研究施設を見学し、授業を体験しました。

高輪さくら1_525.jpg

高輪さくら2_525.jpg

高輪さくら3_525.jpg

高輪さくら4_525.jpg

高輪さくら5_1100.jpg