情報通信学部では、8月3日に東京・ソラシティカンファレンスセンターで開催された「次世代イノベーション創出プロジェクト2020」の交流会にブースを出展。情報メディア学科の濱本和彦教授と通信ネットワーク工学科の高山佳久教授の研究成果を紹介しました。
東京都では、2020年のオリンピック・パラリンピック開催決定を契機に、次世代の産業を世界に発信する大型開発プロジェクト「次世代イノベーション創出プロジェクト2020」助成事業を平成27年度から実施しています。イベントはこの取り組みの一環として開かれたもので、産学連携の活用事例や過去採択事例についての講演や、都内の中小企業と大手企業や大学・研究機関などがブースを出展し、事業連携について意見を交わしました。
濱本教授は、「バーチャルリアリティの医療応用に関する研究~診断技術習得のためのバーチャル生体シミュレータの開発~」と題し、「聴診」の診断技術教育のためのシミュレータ開発について紹介しました。濱本教授は、「健康科学部の先生から『VRの技術を看護師教育に活かせないか?』という相談があり、実際に看護師を目指す学生に尋ねたところ、『聴診の授業が一番難しい』という話を聞き、医療工学の分野から何かできないかと考えたのがはじまりです。患者をバーチャルに再現することで、省スペースかつ低コストで医療技術教育に役立てたいと考えていますが、大学だけでは予算や人材に限りがあります。企業や研究機関との連携は、教員の前職の企業や知り合いの研究者を介して行うことが多いため、こういったイベントで機器メーカーの方や共同研究者を探している人と交流できるのはとても貴重な機会になります」と話しました。
高山教授は、「光の空間伝搬を利用した通信技術と、伝搬光が大気から被る影響の評価」をテーマに、衛星や航空機といった移動体と地上設備の接続など、光の空間伝搬を利用した通信技術とその数値シミュレーションについて発表。高山教授は、「まだ世間にあまり周知されていない分野の研究ですが、日本は世界に先駆けて衛星通信の技術を発展させてきました。今も進化し続ける技術を、さまざまな事業に利用したいという見方をしてくれる企業や研究者を増やし、その方々との連携を図っていきたいと思っています」と語りました。
ブースには多くの企業関係者や研究者が訪れ、研究成果の紹介を通じて、技術的な相談や今後の連携の可能性など、熱心に意見が交わされました。