情報通信学部の実験室がリニューアルしました

高輪キャンパス1号館地下2階の改修工事を実施し、情報通信学部の各学科で使用する実験室がリニューアルしました。2018年度で開設10周年を迎えた情報通信学部では、今回のリニューアルは、より最先端の技術を学ぶことができる教育研究環境の整備を目的としたものです。情報メディア学科、組込みソフトウェア工学科、通信ネットワーク工学科の実験室は今年度の春学期の授業から使用されており、経営システム工学科の実験室も今年度中の完成を予定しています。

情報メディア学科の「バーチャルリアリティ・アクティブラーニング実習室(VR室)」では、3台の4K3Dプロジェクターが投影する映像と3D音響によって、臨場感あふれるバーチャル空間が実現されます。以前使用していた装置と比較して機械音が抑えられるため、聴覚の実験も可能になるほか、リアル4K解像度によるコンテンツ表示、性能が強化されたモーションキャプチャによる全身運動のキャプチャも可能となります。また、移動式の机と椅子や、6台のプロジェクター付きホワイドボード、37台のノートパソコンを新たに設置し、VR用4Kプロジェクターも加えた、グループワークなどのアクティブラーニングに対応した教室として、VR以外の授業でも使用される予定です。

組込みソフトウェア工学科の実験室には、国内の大学では初となるプロジェクションマッピング設備を導入しました。自動掃除ロボットのソフトウェアをプログラミングする実習では、和室やキッチンなどの映像を壁面と床面に投影してプログラミングした機体が部屋の中でどう動くかデモンストレーションを行うなど、ソフトウェアの企画、組込み、商品開発、商品の使用実験まで一連の流れを体験することができます。このように、IoT(Internet of Things)などの最先端技術を専門に学習できる設備のほか、文部科学省の教育プロジェクトenPiTの連携校として、自ら問題を発見し解決していく能力を育成するPBL(Project Based Learning)を取り入れた学習方法も展開していきます。

通信ネットワーク工学科の実験室では、元々2つに分かれていた教室をつなぐことで面積を拡張し、高機能なビジネス用ルータやApple iMacをそれぞれ100台以上導入。学生1人につき1台の端末を使用した効率的な実習ができるようになりました。実機では不可能なサーバ構成実験や、互いの機器をつなげ合うネットワーク構築など、専門技術を実践的に習得できます。また、経営システム工学科では、製品やシステムの使用性を評価する「ユーザビリティラボ」と、人間の生体情報を計測するための「シールドルーム」の2種類の実験室について一部をリニューアル予定。ユーザビリティラボでは、足底圧力分布計測装置を用いて福祉工学の実験を充実させるほか、脳機能測定と視線計測が同時に行えるNIRSの導入により、人間の情報処理能力の分析が可能になります。これらの設備で得た情報をシールドルームのシステムで解析するなど、より現実に近づけた活動環境を再現することで、人間工学・福祉工学に役立つ研究につなげます。

情報通信学部の濱本和彦学部長(情報メディア学科)は、「10年前の学部設立時には、当時最先端だった設備を導入しました。しかし、技術は年々進歩しており、学生が自ら考え学習するアクティブラーニングの授業形態も取り入れようと、数年前からリニューアルを計画し、各学科の教員がアイデアを出し合って設計しました。与えられた教材や設備を用いて、何を学んでいくかを学生自ら考えるよう導く授業を展開していく考えです。また、情報メディア学科のVR室では、『どんなVRシステムをつくるか』が目的だったこれまでの授業から、『VRシステムを用いてどんなことを学ぶか』と観点を広げ、キャンパス全体で活用していきます」と語っています。

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