大学院工学研究科電気電子工学専攻2年次生の松本由布さん(指導教員:情報理工学部・中島孝教授)がこのほど、学校法人東海大学の「2022年度松前重義記念基金奨励賞 松前信子奨励賞」を受賞。1月13日に湘南校舎で開催された授与式で山田清志学長から表彰状を受け取りました。松前重義記念基金は、建学50周年記念事業の一環として1993年度に設立されたもので、創立者・松前重義博士の偉業を顕彰し、その理念を継承することで学園の人材育成と諸活動の向上発展に寄与することを目的としており、さまざまな奨励賞、奨学金、助成金制度を実施しています。松前信子奨励賞は、松前博士とともに人生を歩んだ信子夫人の偉業を継承し、学園の優秀な女性を表彰しています。
松本さんの指導教員である中島教授は、「衛星リモートセンシングによる雲特性研究、及び再生可能エネルギー研究への展開」と題した研究テーマで21年度の松前重義学術賞を受賞しました。本テーマは、教科書レベルでしか進んでいなかった雲の成長、発達、消滅過程に関して、地球観測衛星のデータを組み合わせて統計処理を行うもの。雲のライフサイクルの可視化に世界で初めて成功し、そこで得た知見を再生エネルギー研究へと進展させています。松本さんはこの研究をさらに発展させるべく、気象学的特徴をもつカリフォルニア沖やペルー沖、東アジア海域の雲の成長消滅過程を解析。「複合衛星データ解析による雲成長消滅過程の地域依存性の解明と気候変動研究への貢献にかかる功績」と題した論文をまとめました。
松本さんは、「中島先生からは『研究活動の9割以上はエラーの発見と修正であり、常に前進するわけではない。根気が大切。』と常日頃から教わってきたので、今回の研究が実を結んだことにとても喜びを感じています。先生方に恩返しができ、励みにもなりました。今後もさらに研究に邁進し、社会に貢献できる成果を出したい」と話しています。