法学部の教員が研究会を開催しました

法学部では5月21日に湘南キャンパス11号館で、本学部の教員が運営する「法学部研究委員会」の2014年度第1回研究会を開催しました。本研究会は、 異なる法律分野を専門とする教員が一堂に会することで、学部内における研究のさらなる活性化を図ることを目的に、教員の研究発表や修士論文の検討などを 行っています。当日は教員14名が参加しました。

今回は、新任の鞠山尚子講師が「米国におけるリバースペイメント規制」をテーマに発表。近年、アメリカで最重要課題の一つとして活発な議論がされている、 “リバースペイメント(逆支払い)”の規制について発表しました。裁判において、通常の和解の場合は「被告」が「原告」にお金を支払いますが、リバースペ イメントでは「原告」が「被告」に支払います。アメリカの医薬品業界で問題となっているもので、製薬会社が起こしたジェネリック薬品会社に対する特許侵害 訴訟の和解において、金銭を支払って、一定期間、市場に参入させないようにするものです。鞠山講師は、この行為がアメリカの競争法である「反トラスト法」 に違反するか否かという問題について言及。裁判所によって異なる判決が下されてきたことを語り、裁判所の判断の根拠などを説きました。また、リバースペイ メントという和解合意がどう評価されるべきかを考察しました。

研究会で司会進行を務めた委員長の押久保倫夫教授は、「今回のテーマは専門性が高かったにもかかわらず、鞠山先生と専門外の教員たちとで本質的な意見交換 ができ、大変有意義な時間となりました。このような場はほかの教員がどういう研究をしているかを知り、交流を図るよい機会になるかと思います」と話しまし た。

発表した鞠山講師は、「経済法を専門にしており、現在取り組んでいる研究テーマを報告させていただきました。多くの先生方からご指摘やご意見を聞き、大変勉強になりました。今後もご教示をいただきながら研究活動や学生指導に邁進していきたいと思います」と語っています。

法学部の教員が研究会を開催しました