北欧学科が知のコスモス講演会「ふたりぱぱから見たスウェーデンの子育て・教育・くらし」を開催しました

文化社会学部北欧学科では、11月24日にオンラインで知のコスモス講演会「ふたりぱぱから見たスウェーデンの子育て・教育・くらし」を開催しました。当日はスウェーデン在住の人気Youtuber「ふたりぱぱ」のみっつん氏が講師を務め、スウェーデンでの子育てや生活、LGBTQ※などについて講演しました。みっつん氏は、2011年にスウェーデンの法律の下、現在の夫であるリカ氏と結婚し、ロンドンに移住。16年には代理母出産により男児を授かったのを機にスウェーデンに移住しました。ゲイカップルがいかにして子どもを持ち、育てるかを伝えようと開設したブログ「ふたりぱぱ」が話題となり、19年にはブログの内容をまとめた書籍『ふたりぱぱ: ゲイカップル、代理母出産(サロガシー)の旅に出る』(現代書館)を出版。YouTubeにも日々の生活の様子を投稿しており、チャンネル登録者数が7万人をこえるなど大きな反響を呼んでいます。

当日は学生や教職員ら110名以上が参加。みっつん氏は自身の経歴を動画で紹介したあと、スウェーデンの税や医療、養育制度を紹介。そして同国のLGBTQへの認識について、「スウェーデンでは1987年には同性愛が差別禁止法の対象に加えられ、95年には事実婚(サンボ)制度が導入されました。2003年には同性カップルが養子を迎えられるようにもなり、09年からは同性婚が合法化されています。日本ではこれらの制度や権利が認められていません。国に対する集団訴訟も起きていますが、皆さんにもぜひLGBTQに関する理解を深めてほしい」と語りました。

講演後には参加者から、「夫夫(ふうふ)で父親役、母親役など役割は決めていますか?」「スウェーデンやロンドン、日本で生活してみて、それぞれのLGBTQに対する考え方の違いは感じますか?」「YouTubeやブログなどの反響も大きいと思いますが、同性愛などに対する社会の変化は感じますか?」といった多数の質問が寄せられ、みっつん氏は自身の経験を交えながら一つひとつに丁寧に答えていました。最後には参加者に向けて、「人生は個々人のものであり、歩みたい道をそれぞれが自由に決められるべき。自分の心や思いを信じて、人生を楽しむ人が増えれば増えるほど社会もより自由になるのではないでしょうか」とメッセージを送っていました。

※LGBTQについて
L:Lesbian(レズビアン)→同性を好きになる女性
G:Gay(ゲイ)→同性を好きになる男性
B:Bisexual(バイセクシャル)→性別に関わらず、同性を好きになることも異性を好きになることもある人
T:Transgender(トランスジェンダー)→身体の性と心の性が異なる人
Q:Questioning(クエスチョニング)→性的指向や性自認がはっきりしない、決められないあるいは悩んでいる状況にある人