昨年10月23日から27日までニュージーランドで開かれた「海底地形名小委員会」(SCUFN)の審議結果がこのほど発表され、海洋学部元教授で本学名誉教授の故・青木斌氏と東海大学丸Ⅱ世の船長を務めた故・佐藤孫七氏の名を冠した海底地形名「青木海山」「孫七の星海山」が承認されました。
国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が共同で設置するSCUFNは、世界の海底地形名を標準化するための学術的な委員会で、領海外の海底地形について誰でも提案することができます。日本では海上保安庁が委嘱した有識者で構成される「海底地形の名称に関する検討委員会」における検討を経て提案されています。今回は、星、星座、鳥、海中生物、海洋調査等に功績があった故人にちなんで各国から提案された地形名のうち150件の名称が承認され、沖ノ鳥島南方と南鳥島南方の地形につけられました。これらの海底地形名はIHO/IOC海底地形名集に掲載されることで世界中に周知され、地図や海図、論文などで使われます。なお、日本の提案が承認された名称は今回の73件を加え累計500件をこえています。
海洋の岩石学を専門とする青木氏は、父島西方約130kmにある無人島「西之島」に上陸し、現地調査を経て本を出版したほか、深海底に存在する鉱物資源コバルト・リッチ・クラストを発見するなど、数々の功績を納めてきました。一方の佐藤氏は、海上保安庁水路部の観測船船長を歴任し、1967年に東海大学丸Ⅱ世の初代船長に就任。多くの学生を育てながら、尖閣諸島の調査や海底資源探査などで活躍しており、海底地形名に承認されるのは2度目となりました。